ベナゼプリルは、犬の心臓病やタンパク尿を伴う腎臓病に処方されるACE阻害剤です。作用機序と服用時の注意事項を、飼い主さんの視点に立ってまとめました。


| 項目 | ベナゼプリル | エナラプリル |
|---|---|---|
| 代謝経路 | 肝臓で活性型(ベナゼプリラート)に代謝され、犬では尿と胆汁にほぼ均等に排泄されます | 活性型に変換されるACE阻害薬ですが、詳細な排泄経路は提示された根拠では確認しにくいです |
| 腎臓病を併発している場合 | 腎臓病のある動物でよく選択されます。ただしCKDのタンパク尿・高血圧への効果は、エナラプリルと比べて明確な優劣は報告されていません | ベナゼプリルと比較して明確な優劣がなく、獣医師の判断に応じて使用します |
| 1日の服用回数 | 1回(場合によっては2回) | 主に1~2回 |
| 主な適応症 | 心不全・タンパク尿性腎臓病・高血圧 | 心不全・タンパク尿性腎臓病・高血圧 |
実際の選択は必ず獣医師の判断に従います。飼い主が勝手に切り替えてはいけません。
このような場合は、すぐに病院にご連絡ください。
ベナゼプリルの服用中に以下の症状が現れた場合は、自己判断で薬を中止せず、すぐに獣医師にご連絡ください。 - 食欲が急激に低下し、24時間以上食べない場合 - 嘔吐や下痢が繰り返される、または明らかに元気がない場合 - 歯ぐきが蒼白になる、または倒れそうになる様子が見られる場合 - 尿量が急激に減る、またはほとんど出ない場合 - 脱水が疑われる状況(または暑い日に長時間の移動直後)

妊娠中および生後間もない犬には禁忌です。
ACE阻害薬は妊娠中の使用が禁忌です。繁殖を予定しているわんちゃんの場合は、事前に獣医師に必ずお知らせください。また、急性腎障害のある患者、重度の脱水状態、重度の低血圧を呈している場合も、使用が制限されるか、極めて慎重に使用する必要があります。利尿剤を集中的に使用している場合や全身状態が不安定な場合は、ベナゼプリルの投与開始時に窒素血症の発生を厳密にモニタリングする必要があります。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Plumb's Veterinary Drug Handbook, 10th Edition - Benazepril HCl
[2] BENCH (BENazepril in Canine Heart disease) Study Group, Journal of Veterinary Internal Medicine, 1999
[3] Small Animal Internal Medicine, 6th Edition - ACE Inhibitors in Cardiac and Renal Disease
[4] King JN et al., Clinical safety of benazepril in dogs, J Vet Pharmacol Ther, 2003