ペットは冬場、低体温症や凍傷に弱くなります。外出時間の調整、肉球のケア、室内の温湿度管理など、重要な予防法をまとめました。

冬の外出前に必ず確認すべき事項
気温が低い日や風が強い日は、散歩の時間を普段より短くし、小型犬や体脂肪の少ない子は無理な外出を避け、室内での遊びに切り替えるのが安全です。濡れた体は低体温症に非常に弱いため、外出後は足と腹をぬるま湯で拭き、十分に乾かしてあげてください。雪や氷の上に撒かれた融雪剤(塩化カルシウム)は、舐めたり触れたりすると、皮膚や粘膜の刺激、嘔吐やよだれなどの胃腸刺激を引き起こす可能性があります。そのため、外出後は必ず4本の足と腹をぬるま湯で丁寧に拭いてあげてください。

| 項目 | 小型・短毛種 | 中型・混合毛 | 大型・ダブルコート |
|---|---|---|---|
| 5℃での外出時間 | 15~20分 | 30~40分 | 60分以上 |
| 0℃での外出時間 | 10分以内 | 20分以内 | 30~40分 |
| -5℃以下 | 室内を推奨 | 10~15分 | 20分以内 |
| 服の必要性 | 必須 | 推奨 | 任意 |
| ブーツの必要性 | 推奨 | 任意 | 任意 |
高齢・幼い個体、心臓病・関節疾患を伴う場合は半分程度に短縮してください。

犬種や疾患別の追加注意点
短頭種(ブルドッグ、パグ、ペキニーズ)は、構造的に気道が狭く呼吸抵抗が高いため、特に高温多湿の環境で症状が顕著に悪化することが知られています。季節を問わず、呼吸困難やチアノーゼの有無を注意深く観察し、異常が見られた場合は直ちに落ち着いた環境へ移動させてください。チワワやイタリアングレーハウンドなどの超小型短毛種は、体重に対する体表積の比率が高いため、他の犬種よりも体温が急速に低下しやすい傾向があります。心臓病、糖尿病、甲状腺機能低下症を患っている子は、寒さによって血管収縮が強く起こり症状が悪化する可能性があるため、かかりつけの獣医師と事前に冬の外出基準を相談して決めておきましょう。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Ettinger SJ, Feldman EC, Cote E. Textbook of Veterinary Internal Medicine, 8th Edition. Elsevier, 2017. Chapter on Hypothermia and Frostbite
[2] Miller WH, Griffin CE, Campbell KL. Muller and Kirk's Small Animal Dermatology, 7th Edition. Elsevier Mosby, 2013. Chapter on Environmental Skin Diseases
[3] Silverstein DC, Hopper K. Small Animal Critical Care Medicine, 2nd Edition. Elsevier, 2015. Chapter on Accidental Hypothermia
[4] American Veterinary Medical Association (AVMA). Cold Weather Animal Safety Guidelines, 2023