猫の去勢・避妊手術は、初発情を迎える前の生後4~6ヶ月頃に行うことが推奨されます。適切な時期に手術を行うことで、乳腺腫瘍や子宮蓄膿症といった生涯にわたる疾患のリスクを大幅に低減できます。

手術前に必ず確認すべき事項
体重が2kg未満、または生後8週未満の場合は麻酔のリスクが高まるため、手術時期を遅らせるのが安全です。また、心臓異常、貧血、潜伏感染がある場合は、手術前に血液検査と心臓聴診で必ず確認する必要があります。手術の8〜12時間前には絶食、2時間前には絶水が基本です。

| 項目 | 初回発情前(4〜6か月) | 初回発情後(7〜12か月) | 発情2回以降(1歳以上) |
|---|---|---|---|
| 乳腺腫瘍などホルモン関連疾患の予防 | 予防に最も有利 | 予防効果がやや低下 | 予防効果は期待しにくい |
| 子宮蓄膿症の予防 | 子宮摘出により予防 | 子宮摘出により予防 | 子宮摘出により予防 |
| 発情行動の抑制 | 完全に抑制 | 完全に抑制 | 完全に抑制 |
| 麻酔・手術後の回復 | 速い方 | 普通 | 普通 |
| 組織の状態 | 組織が脆く繊細な取り扱いが必要 | 成熟した組織 | 成熟した組織 |
獣医学教科書の卵巣子宮摘出術・去勢術に関する一般的な推奨に基づいています。時期別の具体的な予防率の数値は提示された根拠では確認できなかったため表記していません。

特定の品種や基礎疾患がある場合は、時期の調整が必要です。
去勢・卵巣摘出の時期は、猫の品種や基礎疾患の有無に応じて、担当の獣医師と相談して調整できます。大型品種のように成長が長く続く場合や、心臓・血液疾患などの基礎疾患が疑われる場合は、手術前に血液検査や聴診を行い、必要に応じて心エコーなどの検査で麻酔の安全性をまず確認することが望ましいです。また、猫は組織がデリケートなため、より細やかな手術・麻酔管理が必要です。基礎疾患がある場合は、必ず担当の獣医師と相談して時期を決定してください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Little SE, The Cat: Clinical Medicine and Management, 2nd Edition, Elsevier, 2024
[2] Handbook on Field Veterinary Surgery, Ch.19 Ovariohysterectomy in Canines and Felines
[3] Kustritz MVR, Determining the optimal age for gonadectomy of dogs and cats, JAVMA, 2007
[4] Overley B et al., Association between ovarihysterectomy and feline mammary carcinoma, J Vet Intern Med, 2005