猫の下部尿路疾患(FLUTD)の主な発症要因は、環境ストレスとトイレの不足です。トイレの数や場所、猫砂の種類、水飲み場の配置を見直すことで、再発率を大幅に下げることができます。

予防を始める前に必ず確認すべきこと
すでに頻尿や血尿、トイレ以外の場所での排尿などの症状が見られる場合は、環境改善だけでは不十分です。特にオスの猫が24時間以上排尿できない場合は、尿道閉塞の可能性がありますので、すぐに動物病院の救急外来を受診してください。本記事で紹介する予防法は、症状のない健康な猫や、獣医師の診察後、飼い主さんが自宅でケアを継続する場合に適用する内容です。

| 項目 | 良い環境 | 注意が必要な環境 | 危険な環境 |
|---|---|---|---|
| トイレの数(1頭あたり) | 2個以上 | 1個(大きいサイズ) | 1個(小さいサイズ) |
| 水入れの位置 | 3か所以上に分散 | 2か所 | 1か所(フードの横のみ) |
| ウェットフードの割合 | 1日1食以上 | 週2~3回 | ドライフードのみ |
| 隠れ場所 | 垂直空間+箱 | キャットタワーのみ | 隠れ場所なし |
| 多頭飼いの葛藤 | なし | 時々追いかける | 持続的な牽制 |
特発性膀胱炎は、上記5項目が積み重なるほど発症・再発のリスクが大きく高まります

肥満や高齢の猫ちゃんには、より細やかなケアが必要です。
肥満の猫は、トイレに入る行為自体が負担になるため、我慢してしまい、FLUTD(猫の下部尿路疾患)を発症しやすくなります。また、高齢の猫も関節炎により、段差の高いトイレを避ける傾向があります。入口が低い(10cm以下)のフラットタイプのトイレに変更し、体重管理は獣医師と相談しながら段階的に行う必要があります。ダイエット用フードを急に100%に切り替えると、水分摂取量がさらに減少する可能性があるため、注意が必要です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Little SE, The Cat: Clinical Medicine and Management, 2nd Edition, Chapter 46 Feline Lower Urinary Tract Disease
[2] Shaw JK, Martin D, Introduction to Animal Behavior and Veterinary Behavioral Medicine, Chapter 13 Feline Elimination Disorders
[3] Buffington CAT et al., Clinical evaluation of multimodal environmental modification (MEMO) in the management of cats with idiopathic cystitis, Journal of Feline Medicine and Surgery, 2006