犬の心室頻拍は、心臓の心室が異常に速く拍動する不整脈であり、突如としてショックや死亡に至る可能性があります。早期発見と適切な管理が重要です。



すぐに動物病院を受診が必要な緊急事態
犬が突然倒れて意識を失う、あるいは心拍が非常に速く不規則に感じられる場合は、直ちに動物病院へお越しください。これは心停止につながる可能性がある危険な兆候です。ご家庭に心拍数計などの心拍測定機器がある場合は、速やかに確認し、病院に到着するまでは安定した姿勢で保護してください。



特定の品種は遺伝的なリスクが高いため、注意が必要です。
ボクサー、イングリッシュ・ブルドッグ、ドーベルマン・ピンシャーなどの品種では、心室頻拍に関連する遺伝性心筋症がよく知られています。特にボクサーの不整脈性右室心筋症(ARVC)は常染色体優性遺伝であり、ストリアチン遺伝子の変異が心筋細胞間のデスモゾーム結合を弱め、心臓の電気的活動を不安定にするとの報告があります。ドーベルマンでは、拡張型心筋症(DCM)とともに心室頻拍が頻繁に現れます。このような品種を飼う際は、親犬の心臓検査記録を確認し、予防的な健康診断で早期に発見することが重要です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Small Animal Critical Care Medicine, 3rd Ed. (2023). Chapter 45: Arrhythmias in Dogs. Elsevier.
[2] Plumb's Veterinary Drug Handbook, 9th Ed. (2022). Cardiac Medications and Antiarrhythmics. Wiley-Blackwell.
[3] American College of Veterinary Internal Medicine (ACVIM). Consensus Statement on Canine Ventricular Arrhythmias (2021). Journal of Veterinary Internal Medicine, 35(4), 1456–1470.