犬の肝疾患は、肝機能の低下により凝固因子の生成が減少し、出血リスクが高まる病気です。早期発見と適切な管理が重要です。



すぐに病院を受診すべき緊急のサイン
犬が突然倒れたり、激しい出血(吐血、血便、持続的な鼻血)、けいれん、意識低下が見られた場合は、すぐに病院へ連れて行ってください。これは肝機能が重度に損傷しているか、凝固障害が深刻化していることを示しています。緊急治療を受けずに放置すると、命の危険が生じる可能性があります。



品種別の注意点と再発予防
スコットランド・テリア、ラブラドール・レトリバー、ベドリントン・テリア、ドーベルマンなどは、肝臓疾患にかかりやすい品種です。特にスコットランド・テリアでは、品種特有の液胞性肝症がみられます。これは進行性の変性過程であり、肝細胞癌の発生に関連する可能性があります。ラブラドール・レトリバー、ベッドリング・テリア、ドーベルマンは、銅蓄積性肝疾患との関連が指摘されています。定期的な健康チェックと、投薬時の注意が必要です。再発を防ぐためには、薬物使用を慎重に行い、栄養状態を継続的に管理することが大切です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Notes on Canine Internal Medicine, 4th Ed. (2020). Chapter on Hepatic Disease and Coagulopathy.
[2] Fundamentals of Veterinary Clinical Pathology, 3rd Edition. (2018). Liver Enzymes and Coagulation Disorders in Dogs.
[3] BSAVA Manual of Canine and Feline Dermatology, 4th Ed. (2021). Drug-Induced Hepatotoxicity and Coagulopathy.