多頭飼いの家庭で猫同士に生じる葛藤の原因・症状・診断方法をまとめました。環境の改善から同居のプロトコルまで、自宅ですぐに実践できるケアのポイントをご確認ください。


すぐに動物病院での診察が必要な緊急のサイン
以下の症状が見られる場合は、ストレス性の身体疾患に進行している可能性があります。特にオスの猫は、ストレス性膀胱炎が尿道閉塞へと発展する恐れがあるため、直ちに緊急治療が必要です。48時間以上餌を食べられない場合や、全く尿が出ない場合は、すぐに動物病院へお越しください。


新しい猫を家族に迎える前に知っておきたいこと
新しい猫を同居させる際は、最低でも2~3週間以上の隔離期間を設け、まずは匂いの交換から始め、仕切りを挟んだ対面、そして自由な対面へと順を追ってゆっくり進めるのが安全です。特に10歳以上のシニア猫や臆病な猫がいるご家庭では、同居のペースをさらにゆっくり進めることが重要です。若い猫は争いが少ないと思われがちですが、活発な若い猫をシニア猫がいる家に入れると、若い猫がシニア猫を追いかけて背中に飛び乗って噛むといった、縄張り意識に基づく攻撃が徐々に現れる可能性があります。そのため、組み合わせに関わらず、段階的で漸進的な同居が最も重要です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Atkinson T., A Professional's Guide to Feline Behaviour Understanding, Improving and Resolving Problems, CABI Publishing, 2018
[2] Seksel K. et al., Veterinary Guide to Preventing Behavior Problems in Dogs and Cats, 2016
[3] Introduction to Animal Behavior and Veterinary Behavioral Medicine, Chapter 5: Feline Behavior, 2020