猫の腹水(心原性腹水)は、心機能の低下により腹腔内に液体がたまる疾患で、主な症状は呼吸困難と腹部膨満です。早期の診断と適切な管理が不可欠です。



すぐに病院を受診する必要がある症状
呼吸が非常に荒くハアハアする、歯茎や舌が青紫色に変色する、突然倒れるといった症状が見られた場合は、直ちに動物病院へ連れて行ってください。これらは心機能や呼吸状態が急激に悪化している兆候であり、ショック状態に陥る可能性があります。猫は胸腔内に水(胸水)がたまって呼吸困難になるケースも多いため、緊急時には胸水や腹水を排出したり、酸素投与や薬物療法を行ったりすることが必要になることがあります。ご自身で判断して様子を見ず、できるだけ早く受診することが重要です。



品種別の注意点と再発予防
メインクーンやラグドールなど遺伝的要因がある品種は、心筋症のリスクが高いことが知られています。高齢の猫ほど注意が必要で、外見上症状がなくても定期的な心臓検査をお勧めします。腹水穿刺は液体を除去して症状を一時的に緩和する処置ですので、根本疾患である心臓病の治療も併せて行う必要があります。薬は獣医師と相談せずに急に中止せず、状態に変化があれば必ずご相談ください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
| 項目 | 段階 | 主な症状 | 主な対処方法 | 病院受診の必要性 |
|---|---|---|---|---|
| 軽症 | 腹部がわずかに膨らむ | 日常活動を維持できる | 定期検診、食事管理 | はい |
| 中等度 | 腹部の明らかな膨満、呼吸困難 | 活動の減少、食欲低下 | 腹水穿刺、薬物治療の開始 | はい |
| 重度 | 重い呼吸困難、口が青く変色 | 無気力、倒れる可能性 | 緊急腹水穿刺、酸素供給、救急薬物 | 直ちに |
段階別の対処は獣医師の診断によって異なる場合があります。早期発見が治療の成功率を高めます。
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[1] Textbook of Cardiovascular Medicine in Dogs and Cats (2023). Chapter 7: Congestive Heart Failure and Ascites in Felines. Elsevier.