犬の消化器系処方食の双璧であるヒルズ プレスクリプションダイエット i/dとロイヤルカナン ベテリナリー ガストロインテスティナルを、適応症・栄養設計・ラインナップ・切り替え方法まで、臨床基準に基づいて比較してご紹介します。

| 項目 | Hill's Prescription Diet i/d | Royal Canin Veterinary GI |
|---|---|---|
| 主な適応症 | 急性・慢性の下痢・嘔吐、術後の回復期、軽症の膵炎 | 急性・慢性の胃腸疾患、吸収障害、回復期の栄養補給 |
| 通常タイプの脂肪含有量 | 中脂肪 | 中脂肪(ラインナップにより変動) |
| Low Fatラインの有無 | あり(i/d Low Fat — 膵炎・高脂血症) | あり(GI Low Fat — 膵炎・リンパ管拡張症) |
| 核となる食物繊維設計 | ActivBiome+プレバイオティクス+ショウガエキス | MOS・FOSプレバイオティクス+ビートパルプ |
| タンパク質処理 | 高消化性の動物性タンパク質 | 高消化性タンパク質(LIP)中心 |
| ラインナップの多様性 | 通常・Low Fat・Sensitiveなど | GI・Low Fat・Puppy・Fiber Response・Hepaticなど細分化 |
| 犬専用ライン | 専用ラインなし(成犬基準) | GI Puppy専用ラインあり |
数値・ラインナップ構成は国・時点によって異なる場合があります。購入直前に製品ラベルと獣医師の指示を優先してご確認ください。


処方箋を開始する前に必ず確認すべき点
療法食は薬と同じです。自己判断で一般的なドッグフードのように長期間与え続けると、栄養バランスの崩れを招く可能性があります。必ず獣医師の診断と処方に基づいて開始し、定期的に血液検査、体重、糞便の状態を追跡しながら調整する必要があります。特に膵炎、リンパ管拡張症、肝疾患を併発している場合、不適切な療法食の選択はかえって症状を悪化させる恐れがあります。

症状が改善しても、自己判断で中断するのは絶対にやめてください。
症状が改善しても、自己判断で一般的なドッグフードに戻さないでください。慢性の消化管疾患や食餌反応性疾患の場合、原則として食餌試験の基準である少なくとも3週間以上の十分な期間、処方食のみを継続し、便の状態と体重の変化で反応を評価します。それ以前にドッグフードを変更すると、改善の有無を正確に判断できなくなり、再発のリスクも高まります。一般的なドッグフードに戻る時期は必ず獣医師と相談し、段階的な切り替えスケジュールを一緒に立てることが安全です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Edition — Chapter 25: Nutrition of the Critically Ill Dog and Cat
[2] The Cat, Clinical Medicine and Management, 2nd Edition — Dietary Therapy in Gastrointestinal Disease
[3] Hill's Pet Nutrition, Prescription Diet i/d Product Technical Information
[4] Royal Canin Veterinary Diet, Gastrointestinal Range Technical Monograph