乾湿両方のペットフードにおける水分・カロリー・保存性の違いと、ペットの種類に応じた与え方の基準を、獣医学の教科書を根拠に比較します。混合与え方の方法についてもまとめました。


| 項目 | ドライフード | ウェットフード |
|---|---|---|
| 水分含有量 | 約6~10% | 約70~80% |
| カロリー密度 | 高い(約2,800~4,050kcal/kg、給与基準) | 低い(約700~1,200kcal/kg) |
| 嗜好性 | 普通 | 非常に高い |
| 歯の健康サポート | 一部の製品に限り効果あり | 効果はほとんどなし |
| 水分摂取のサポート | 少ない | 大きく役立つ |
| カロリー単位あたりの価格 | 安い | 高い |
| 開封後の保存 | 数週間~数か月 | 冷蔵で2~3日 |
| おすすめの状況 | 通常の維持・歯石ケア | 高齢・泌尿器・食欲不振 |
製品によってばらつきがあります。各フードのパッケージの保証成分表を必ずご確認ください。
ウェットフードのみで与える際に必ず確認すべき点
ウェットフードは、粒を噛む際の物理的な摩擦がほとんどないため、歯のクリーニング効果を期待しにくいです。そのため、ウェットフード中心の与え方をする際は、歯垢や歯石の管理に特に気を配り、毎日の歯磨きやデンタルスナックを併用することをおすすめします。また、開封した缶やパウチは常温で長時間放置するとすぐに傷むため、常温での放置は2時間以内にとどめ、残りは蓋をして冷蔵庫に入れ、2~3日以内にすべて与えてください。冷蔵庫から出した直後は冷たすぎて食欲が落ちるため、体温程度に軽く温めるとよく食べてくれます。

品種や健康状態別の注意点
コリーやシェットランド・シープドッグなど、薬剤感受性遺伝子に関連する品種の場合は、餌の変更よりも薬やオヤツの成分に特に注意が必要です。ペルシャやヒマラヤンなど短頭種の猫は、粒をかみ砕くのが苦手なため、ウェットフードの方が適しています。糖尿病の管理中のペットには、炭水化物含有量が低くタンパク質が豊富なウェットフードが推奨されますので、餌を変更する前には必ず担当の獣医師にご相談ください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Fascetti A.J., Delaney S.J., Applied Veterinary Clinical Nutrition, 2nd Ed, Chapter 8 Commercial and Home-Prepared Diets
[2] Ettinger S.J., Feldman E.C., Textbook of Veterinary Internal Medicine, Nutritional Management Section
[3] Hand M.S. et al., Small Animal Clinical Nutrition, 5th Ed, Chapter Pet Food Types and Ingredients