コッカー・スパニエルは、若齢期に発症する家族性腎疾患にかかりやすい犬種です。遺伝子検査、年齢別の検診、そして生涯にわたるケアのポイントを専門チームがまとめました。


このような兆候が見られた場合は、24時間以内に緊急受診が必要です。
次のような症状が見られたら、家族性腎疾患の急性悪化や尿毒症を疑う必要があります。1日に3回以上嘔吐を繰り返す場合、12時間以上おしっこが出ない場合、突然食欲が完全になくなる場合、口からアンモニア臭(口臭)がする、または歯ぐきが白っぽくなる場合、強い元気のなさや神経症状が現れる場合です。血液検査のBUN(尿素窒素)やクレアチニンは、腎機能がかなり低下してから上昇し始めます(SDMAはそれよりも早く上昇する傾向があります)。外見で症状がはっきりと現れた時には、すでに病状がかなり進んでいる可能性があります。ためらわずに動物病院へ連れて行ってあげてください。
| 項目 | 遺伝子検査 | 尿タンパク・尿比重 | 血液腎臓数値 | 血圧測定 | 腹部超音波 |
|---|---|---|---|---|---|
| 検査の意義 | 生涯の発症リスクを1回確認 | 早期のタンパク尿と腎機能低下を発見 | 腎障害の進行度を把握 | 高血圧の併発の有無を確認 | 腎臓の形態・腫瘍などの構造を評価 |
| 推奨時期 | 生後6~12か月 | 6か月ごと | 年1~2回 | 満3歳から年1回 | 満7歳から年1回 |
| 絶食の必要 | False | False | True | False | True |
| 予想費用 | 8,000円〜10,000円 | 3,000円〜5,000円 | 5,000円〜8,000円 | 1,000円〜2,000円 | 8,000円〜10,000円 |
費用は一次動物病院の平均基準であり、地域・病院によって差があります

飼い主様が毎日・毎週行うべき生涯のケアポイント
- 水分摂取量と排尿量の記録: 腎臓の異常を示す最も早い兆候です。普段の1.5倍以上増えた場合は、すぐに検査が必要です。 - 毎週同じ曜日に体重測定: 0.5kg以上の変化があった場合は記録しておきましょう。 - 低塩・低タンパク・リン調整食の検討: タンパク尿や腎臓の数値に異常が認められた場合、タンパク質、リン、ナトリウムを減らし、オメガ3脂肪酸を強化した腎臓用療法食が役立つことがあります。無症状の場合は良質な一般的なドッグフードで十分ですので、獣医師と相談してから決定してください。 - 耳と目の週1回のチェック: 分泌液、赤み、目を細めている様子がないか確認しましょう。自宅でのチェック記録は、定期健診の際に必ず獣医師と共有してください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Lees GE et al., Familial nephropathy in English Cocker Spaniels: COL4A4 mutation and clinical course, Journal of Veterinary Internal Medicine, 2007
[2] Polzin DJ, Chronic Kidney Disease, in Ettinger's Textbook of Veterinary Internal Medicine, 8th Ed
[3] BSAVA Manual of Canine and Feline Nephrology and Urology, 3rd Ed
[4] Maxie MG, Jubb, Kennedy, and Palmer's Pathology of Domestic Animals, 6th Ed — Urinary System chapter