凍傷は、低温によって組織が凍結し損傷する緊急の症状です。耳、手足の先、尾の色の変化や冷たさが兆候となります。対応の鍵は、すぐにぬるま湯で解凍し、速やかに動物病院を受診することです。

| 項目 | 1度(表在性) | 2度(部分損傷) | 3~4度(全層損傷) |
|---|---|---|---|
| 皮膚の色 | 蒼白→赤くなる | 赤みまたは青みがかる | 黒く変色(壊死) |
| 痛み | ヒリヒリする | 激しい痛み | 感覚の消失 |
| 水疱・浮腫 | なし | 透明な水疱 | 血性の水疱・硬くなる |
| 回復の可能性 | おおむね自然に回復します | 回復に時間がかかります | 壊死した場合は切断が必要になることがあります |
一般の飼い主向けの簡易分類であり、段階の区分や回復の程度は個体ごとに異なるため、最終的な診断は獣医師が行います

すぐに動物病院へ行くべき緊急基準
次のいずれかに該当する場合は、緊急事態です。搬送中も保温を維持し、解凍した部位が再び冷えないよう注意してください。 • 皮膚が黒く変色したり、感覚がまったくない場合 • 血性(血液が混じった)水疱ができている場合 • 体温が正常範囲(犬・猫で約38〜39℃)より著しく低下している場合(低体温症を伴う疑い) • 解凍後も色戻りが見られない場合 • 犬・猫、高齢、基礎疾患がある場合

絶対にやってはいけない行動
誤った処置は、凍傷そのものよりも深刻なダメージを残すことがあります。以下の行為は絶対に避けてください。 • 凍傷部位をこすり、または雪や氷でマッサージする — 氷の結晶が細胞を傷つけます • 熱湯、ドライヤー、カイロを直接当てる — 火傷を併発するリスクがあります • 解凍後、再び寒い場所に移動させる — 再凍結が最も危険です • 水疱を破る — 感染のリスクがあります • 市販の軟膏やアルコールを塗布する

猫ちゃんは特に注意が必要です。
猫は痛みを隠す傾向が強いので、凍傷が後から発見されやすいです。特に外に出る猫は、車のエンジンルームや倉庫に隠れて凍傷を負うことが多いです。 • 耳の先が巻いている、または黒く変色している場合は疑う • 指の間を過度に舐める行動 • 尻尾の先が垂れ下がり、冷たい場合 • 冬場に失踪した後、戻ってきた猫は必ず全身検査を受けること

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Miller WH, Griffin CE, Campbell KL, Muller and Kirk's Small Animal Dermatology 7th ed, Elsevier Mosby, 2013
[2] Ettinger SJ, Feldman EC, Cote E, Textbook of Veterinary Internal Medicine 8th ed, 2017
[3] BSAVA Manual of Canine and Feline Dermatology 4th ed, 2023