犬の皮膚にあざや小さな赤い点が見られる場合は、血液凝固障害の兆候である可能性があります。原因、緊急度、病院受診の基準を獣医学資料に基づいてまとめました。

| 項目 | 点状出血 | 斑状出血 | 血腫 |
|---|---|---|---|
| 大きさ | 1〜2mm以下 | 1cm以上 | 盛り上がった塊 |
| 形 | 粟粒のような赤い点 | あざ・紫色のしみ | 膨らんだこぶ |
| 主に疑われる原因 | 血小板の異常 | 凝固因子または血小板の異常 | 外傷・血管の破裂 |
| 緊急度 | 高い | 高い | 中程度〜高い |
獣医内科学教科書の分類基準を再構成 — 飼い主さんの参考用

今すぐ病院へ連れて行くべきサイン
次のいずれかにも該当する場合は、緊急事態です。 - 複数の部位(腹部、歯茎、白目)に同時に点状出血が見られる - 理由のない鼻血、血尿、黒い便が同時に現れる - 殺鼠剤、農薬、確認できない化学物質の摂取が疑われる - 歯茎が蒼白または灰色を帯び、呼吸が速い - 普段より明らかに元気がなく、ぐったりしている 凝固障害は数時間以内に内出血を引き起こす可能性があるため、直ちに夜間・緊急の動物病院を受診してください。

病院へ行く前に絶対に避けるべきこと
- 内出血部位のマッサージや温湿布は避けてください。出血がさらに進む可能性があります。 - アスピリンやイブプロフェンなど、人間用の鎮痛剤は絶対に与えないでください。出血が悪化するおそれがあります。 - 殺鼠剤の誤飲が疑われる場合は、自宅で無理に吐かせようとしないでください。摂取時刻や状態によって処置が異なるため、必ず獣医師の指示に従ってください(直近に摂取した場合は、病院で誘導性嘔吐を行うこともあります)。 - 激しい散歩や遊びは中止してください。外部からの衝撃が内出血を招く可能性があります。 移動時や犬を抱き上げる際も、腹部やわきの下を圧迫しないよう注意してください。

猫を飼っている保護者と同じ家に暮らしている場合
犬が食べてはいけないネズミ薬・人間の薬・殺虫剤は、猫にとっても同様に危険です。特に一部の殺虫成分は、犬には安全でも猫では毒性反応が異なる場合があるため注意が必要です。同じ家で暮らしている場合は、犬の駆虫薬や予防薬を投与した後、猫が舐めないよう十分に隔離し、ネズミ薬や化学薬品はどのペットにも触れられない場所に保管してください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Jackson ML, Veterinary Clinical Pathology: An Introduction, 2nd Ed, Wiley-Blackwell, 2016
[2] Miller WH, Griffin CE, Campbell KL, Muller & Kirk's Small Animal Dermatology, 7th Ed, Elsevier, 2013
[3] Jasmin P, BSAVA Manual of Canine and Feline Dermatology, 4th Ed, BSAVA, 2021
[4] Ettinger SJ, Feldman EC, Textbook of Veterinary Internal Medicine, 8th Ed, Elsevier, 2017