犬の歯茎が白っぽく変色している場合、心臓疾患、貧血、ショックなどの緊急の原因が考えられます。歯茎の色による緊急度の判断方法と、すぐに動物病院を受診すべきサインをまとめました。

| 項目 | 意味 | 緊急度 |
|---|---|---|
| ピンク色(正常) | 正常な血液循環 | ✅ 正常 |
| 薄いピンク・白色 | 貧血・血液不足の疑い | ⚠️ 当日受診 |
| 白色・灰色 | 重度の貧血・ショック・内出血 | 🚨 直ちに救急 |
| 青色・紫色(チアノーゼ) | 酸素不足(低酸素症) | 🚨 直ちに救急 |
| 黄色 | 黄疸(肝臓・溶血性貧血) | 🚨 当日救急 |
| レンガ色・濃い赤色 | 異常な粘膜色 — 原因鑑別のため直ちに診察が必要 | 🚨 直ちに救急 |
自然光の下で確認するのが最も正確です。室内照明の下では色が違って見えることがあります。

今すぐ救急病院へ連れて行くべきサイン
歯茎が白、灰色、または青みを帯びており、以下のいずれかの症状が見られる場合は、直ちに24時間対応の動物病院へお越しください。自宅で様子を見ていると危険な場合があります。 • 立ち上がれない、または倒れている • 呼吸が非常に速い、あるいはほとんどない • 歯茎を押して離しても、2秒以上白く残る(毛細血管充填時間の遅延) • 歯茎や舌が灰色や青色(チアノーゼ)に変色している • 意識が不明瞭、または痙攣を起こしている



心臓疾患や歯茎の蒼白に特に注意が必要な犬種
心臓や循環器のトラブルでも粘膜が蒼白になることがあるため、心臓疾患の素因がある犬は特に注意が必要です。一部の犬種は、先天性・遺伝的に心臓疾患によりかかりやすいことが知られています。 • 心臓疾患の家族歴や犬種の素因がある犬 • 過去に心雑音や胸部聴診の異常を指摘された犬 • 運動不耐性、体力低下、咳などの循環器症状を示した犬 • 重度の貧血などで新たに心雑音が聴取されるようになった犬 このような場合は、心臓聴診を含む定期的な健康診断を年1回以上受け、心血管の問題を早期に発見することがおすすめです。普段から歯ぐきの色とCRT(毛細血管充填時間)も併せてチェックしてください。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Ettinger SJ, Feldman EC, Côté E. Textbook of Veterinary Internal Medicine: Diseases of the Dog and Cat, 8th Ed. Elsevier, 2017.
[2] Tilley LP, Smith FWK. The 5-Minute Veterinary Consult: Canine and Feline, 6th Ed. Wiley-Blackwell, 2015.
[3] Bonagura JD, Twedt DC. Kirk's Current Veterinary Therapy XV. Elsevier, 2014.