犬の黄疸は、肝臓・胆道・赤血球に異常があることを示す緊急のサインです。歯茎や白目が黄色く変色した場合は、24時間以内に病院へ連れて行ってください。

| 項目 | 軽症 | 中等度 | 重症 |
|---|---|---|---|
| 歯茎の色 | わずかに黄みがかる | はっきりとした黄色 | 濃い黄土色 |
| 白目の色 | ほとんど変化なし | 黄色く変化 | オレンジ色に近い |
| 食欲・活力 | やや低下 | 食欲不振・元気がない | ほとんど食べない・無気力 |
| 随伴症状 | なし | 嘔吐・下痢 | 黒い便・けいれん・意識低下 |
| 対処 | 48時間以内に受診 | 当日中に受診 | 直ちに救急外来 |
歯茎の色は自然光の下で上唇を軽く持ち上げて確認します。

すぐに救急病院へ連れて行くべきサイン
次の症状のいずれかが見られた場合は、夜間でも24時間対応の動物病院の救急外来を受診してください。急性肝不全、溶血性貧血、胆道閉塞は数時間で悪化することがあります。 - 歯ぐきが濃い黄土色またはオレンジ色をしている - 嘔吐物や糞便に血が混じっている - 呼吸が荒く、舌が紫色をしている - 歩行がふらつく、けいれんを起こす、意識が不明瞭である - 24時間以上何も食べず、水も拒否している

品種別・状況別の追加注意点
特定の犬種や状況では、黄疸のリスクが高まる傾向があります。 - ベドリントンテリア: 遺伝性銅蓄積症 - ミニチュアシュナウザー・シェットランドシープドッグ・コッカー・スパニエル: 胆嚢粘液嚢胞の好発 - ドーベルマン: 慢性肝炎の遺伝的素因 - 7歳以上のシニア犬: 肝腫瘍や胆道疾患の発生率上昇 - ワクチン接種が不十分な犬: レプトスピラ感染症のリスク 該当するわんちゃんには、1年に1回以上、肝機能値(ALT・ALP・ビリルビン)の検査を受けておくことをお勧めします。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Ettinger, S.J., Feldman, E.C., Textbook of Veterinary Internal Medicine, 8th Ed, Chapter on Icterus and Hepatobiliary Disease, 2017
[2] Nelson, R.W., Couto, C.G., Small Animal Internal Medicine, 6th Ed, Hepatobiliary Disorders, 2020
[3] Washabau, R.J., Day, M.J., Canine and Feline Gastroenterology, Icterus and Liver Failure, 2013