尿比重(USG)は、腎臓の水分調節能力を評価する重要な指標です。犬や猫の正常範囲と、値が低い場合・高い場合のそれぞれの意味について解説します。

| 項目 | 犬 | 猫 |
|---|---|---|
| 正常な濃縮(健康) | 1.030以上 | 1.035以上 |
| 等張尿(注意) | 1.008~1.012 | 1.008~1.012 |
| 低張尿(異常) | < 1.008 | < 1.008 |
| 高張尿(脱水の疑い) | > 1.045 | > 1.060 |
獣医内科学の教科書基準です。等張尿(1.008~1.012)は、尿が糸球体濾過液とほぼ同じ溶質濃度を示す状態で、腎尿細管が尿を濃縮も希釈もできないことを意味します。低張尿(1.008未満)は濾過液よりもさらに希釈された状態を指します。猫では臨床的に1.035を濃縮能力を判断する基準点としています。食事・水分摂取によって数値が変動するため、一度の値よりも血液検査とあわせて解釈することが重要です。

このような場合は、必ず再検査や精密検査を受けてください。
尿比重(USG)が低いのに、普段より水を多く飲んだり、尿量が増えている場合は、単なる水分摂取量の増加ではない可能性があります。特に猫で尿比重が1.035未満を繰り返して測定される場合は、慢性腎臓病の初期段階である可能性が高いです。血液検査でBUNやクレアチニンが正常値であっても、SDMA検査と尿タンパク/クレアチニン比(UPC)を併せて確認する必要があります。数値を上げようと勝手に水分摂取を制限するのではなく、必ず獣医師の指示に従って再評価を受けてください。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Ettinger SJ, Feldman EC, Côté E. Textbook of Veterinary Internal Medicine: Diseases of the Dog and the Cat, 8th Edition
[2] Nelson RW, Couto CG. Small Animal Internal Medicine, 6th Edition — Chapter on Clinical Manifestations of Urinary Disorders
[3] DiBartola SP. Fluid, Electrolyte, and Acid-Base Disorders in Small Animal Practice, 4th Edition