皮膚にしこりが触れた際、まず行う検査である細胞診(FNA)の原理と手順、そして結果の解釈まで、飼い主の方が知っておくべき内容をまとめました。


検査の前に必ず知っておいてほしいこと
細胞診は簡便な検査ですが、限界もあります。採取された細胞数が少ない場合や、しこりが深い部位にある病変の場合には「診断不能」という結果になることがあります。その際は、再度採取するか、組織検査に進む必要があります。また、出血傾向のある子は、検査前に必ず獣医師にお知らせください。検査後、しこりの部分が少し腫れたり、あざができたりすることがありますが、大半は1~2日以内に治まります。

| 項目 | 細胞診検査 (FNA) | 組織検査 (Biopsy) |
|---|---|---|
| 採取方法 | 細い針 | メス・パンチで組織の一部を切除 |
| 麻酔の有無 | 通常は不要 | 局所または全身麻酔が必要 |
| 所要時間 | 5〜10分 | 20〜40分 + 回復 |
| 診断の正確度 | 種類によって異なります — 円形細胞・上皮性腫瘍に有利、検体が少ないと非診断的 | 確定診断・グレード・切除縁の評価により有利 |
| 結果の確認 | 当日〜2日 | 3〜7日 |
| 侵襲性 | 非常に低い | 中等度 |
実際に行うかどうかや費用は病変の位置・大きさによって異なります。担当獣医師と相談して決めてください。

このような場合は、すぐに病院にご連絡ください。
細胞診検査後、以下の症状が見られた場合は、すぐに病院へご連絡ください。検査部位が次第に大きくなったり、硬くなったりする場合、滲出液や膿が出ている場合、お子様が激しい痛みを訴えたり発熱している場合、24時間経過しても瘀血が引かず、むしろ広がっている場合です。特に猫は痛みを隠す傾向が強いため、食欲や活動量の変化も併せて観察してください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Valenciano AC, Cowell RL. Small Animal Cytologic Diagnosis (Canine and Feline) — Chapter 1. Sample Acquisition and Preparation, 2nd Edition
[2] Jackson HA, Marsella R. BSAVA Manual of Canine and Feline Dermatology, 4th Edition — Diagnostic Techniques
[3] Karadsheh Z, Al-Haddad M. Fine-needle aspiration techniques: needle size and suction considerations, 2014