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子犬用フードの選び方と与え方のガイド

消化器Q&Aモンシルジャン獣医学アドバイザリー

子犬の成長期に子犬専用フードが必要な理由、月齢別の与え方、正しいフード選びの基準を、獣医栄養学の教科書を根拠にまとめました。

子犬用フード、なぜ別に与える必要があるのでしょうか?

子犬用フードが入った食器と、さまざまな形状のフード粒
子犬用フードは、成長期に必要な高タンパク・高カロリーの栄養素を強化した、成長期の犬専用フードです。小型犬は一般的に生後10〜12ヶ月まで、大型犬は最大24ヶ月まで子犬用フードが必要です。成長期の犬は骨や筋肉が急速に発達するため、タンパク質、カルシウム、リンなどの栄養素を成犬よりもはるかに多く必要とするからです。 子犬専用フードが重要な理由は、単にカロリーが高いからではありません。成長期に必要な栄養素の比率が精密に設計されているためです。成犬用フードをそのまま与えると、特定の栄養素が不足したり過剰になったりし、骨の発育異常や消化器の問題につながる可能性があります。 この記事では、子犬用フードの選び方から月齢別の給与量、フードの切り替え方法までをまとめました。

子犬用フードと成犬用フード、いったい何が違うのでしょうか?

子犬用フードと成犬用フードの最大の違いは、栄養素の含有量とバランスにあります。獣医栄養学の教科書によれば、成長期の犬は以下の栄養素をより多く必要とします。
タンパク質: 子犬用フードには、最低でも22%以上のタンパク質が含まれています。これは成犬用フードの基準(18%以上)よりも高い数値です。筋肉や臓器の発育に不可欠な成分です。
カルシウムとリン: 骨の成長に欠かせないミネラルです。しかし、過剰摂取も問題を引き起こすため、適切なバランスが重要です。
エネルギー密度: 生後間もない子犬は、同じ体重の成犬に比べて約2倍近いエネルギーを必要としますが、成長とともにその必要量は徐々に減少します。子犬用フードは、少量でも十分なカロリーを摂取できるよう設計されています。
脂肪酸: 成長期の犬は、エネルギー供給と体の発育のために、脂質や脂肪酸をより多く必要とします。DHAなどのオメガ3脂肪酸が含まれた子犬用フードも市販されていますので、成分表示を確認して選んでみるとよいでしょう。

成長段階別ドッグフードの選び方ガイド

子犬の成長段階によって、適切な餌の形態と与える回数が異なります。
成長段階月齢餌の形態与える回数
離乳期3~8週パピーフードを水でふやかして柔らかくする1日4回
初期成長期2~4ヶ月パピー用ドライフード(小粒)1日3~4回
中期成長期4~8ヶ月パピー用ドライフード1日2~3回
後期成長期8~12ヶ月パピー用ドライフード1日2回
成犬への移行期小型犬 10~12ヶ月 / 大型犬 12~24ヶ月成犬用フードに徐々に移行1日2回

子犬のフードを選ぶための4つの基準

子犬用フードを選ぶ際に確認すべき重要なポイントをご紹介します。
栄養基準の適合: パッケージに「成長期用(Growth)」または「全ライフステージ用(All Life Stages)」と表示されている製品を選びましょう。米国飼料検査官協会(AAFCO)の栄養基準を満たしている製品が安全です。
動物性タンパク質の記載順: 成分表の最初に鶏肉、サケ、牛肉などの動物性タンパク質が記載されている製品がおすすめです。
体型別の区分: 小型犬用、中型犬用、大型犬用の子犬用フードがそれぞれ用意されています。特に大型犬の子犬には専用フードが必須です。
穀物の含有有無: 近年、グレインフリー(穀物不使用)フードと心疾患との関連性が報告されています。特別なアレルギーがない場合は、穀物を含むフードの方が安全である可能性があります。アレルギーが疑われる場合は、アレルギー検査ガイドをご参照ください。
子犬用フードのパッケージにある成分表を確認している飼い主

餌を変えるときは、ゆっくりと!

愛犬のエサを急に替えると、嘔吐や下痢、食欲不振を引き起こす可能性があります。最低でも7~10日かけて徐々に切り替えてください。最初は現在のエサの割合を高く保ち、新しいエサの割合を少しずつ増やしていく方法で、ゆっくりと交換するのが安全です。切り替え中に軟便や嘔吐が2日以上続いた場合は、獣医師にご相談ください。

月齢・体重別1日給与量ガイド

与える量は、子犬の月齢と成犬時の予想体重によって異なります。以下は一般的な子犬用ドライフードの1日あたりの総給与量目安です。フードによってカロリー密度が異なるため、必ずパッケージに記載されている給与ガイドも併せてご参照ください。
月齢小型犬(成犬時~5kg)中型犬(成犬時~15kg)大型犬(成犬時~30kg)
2~3ヶ月50~80g100~150g150~250g
4~6ヶ月70~100g130~200g250~380g
7~9ヶ月80~110g160~230g350~450g
10~12ヶ月成犬の給与量へ切り替え180~250g400~500g
計量カップでドッグフードを計量し、食器に盛っている様子

適切な与え方とポイント

子犬用フードを与える際の、知っておくと役立つ実践的なポイントをご紹介します。
決まった時間に与える: 1日2〜4回、一定の時間に与えてください。15〜20分で食べ終わらない場合は片付ける習慣をつけるのがおすすめです。自由採食は過食につながることがあります。
体重のモニタリング: 2週間ごとに体重を計測し、肋骨を触ったときに軽く感じられる程度が適正体重です。子犬期の肥満は関節の問題を引き起こす可能性があります。
おやつの割合: おやつは1日の総カロリー摂取量の10%を超えないようにしてください。おやつを多く与えた日は、その日のフードの量を少し減らしましょう。
: 新鮮な水を常に用意してください。ドライフードを食べている子犬には、特に水分補給が重要です。フードの選び方の基準についてさらに詳しく知りたい方は、子犬用フードの選び方ガイドもご参照ください。
決まった時間に餌を食べる子犬

大型犬の子犬には専用フードが必須です。

大型犬および超大型犬の子犬には、必ず大型犬用子犬フードを与えてください。一般的な子犬フードのカルシウム含有量は、大型犬にとって過剰になる可能性があります。カルシウムの過剰摂取は、骨軟骨症などの骨格発育異常を引き起こすことがあります。獣医栄養学の教科書でも、大型犬の子犬におけるカルシウム摂取量は体重基準で厳格に管理することを推奨しています。

この記事を監修した獣医師

Dr. Tony — Punnawat Phongkittirak

Dr. Tony — Punnawat Phongkittirak

獣医師

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。

よくあるご質問

子犬用フードはいつまで与えるべきですか?
小型犬は10~12ヶ月、大型犬は12~24ヶ月まで子犬用フードを与えます。成犬用フードへの切り替え時期は犬種や成長速度によって異なりますので、最も正確な切り替え時期を決定するためには、必ず獣医師にご相談ください。
子犬用のドッグフードを成犬に与えても大丈夫ですか?
おすすめできません。子犬用フードはタンパク質とカロリーが高いため、成犬に継続して与えると肥満になる可能性があります。ただし、妊娠中や授乳中の母犬については、獣医師の判断のもとで子犬用フードを与える場合もあります。
ドライフードとウェットフード、どちらの方がよいのでしょうか?
栄養面では、どちらも成長期用の基準を満たしていれば問題ありません。ドライフードは噛む過程が必要で口腔ケアに役立ち、ウェットフードは水分摂取量が多く嗜好性が高いです。混合与えも可能ですが、総カロリーを計算して過食を防いでください。
グレインフリーのドッグフードの方が良いのでしょうか?
必ずしもそうではありません。グレインフリー(穀物不使用)のドッグフードと拡張型心筋症との関連性が報告されています。特別な穀物アレルギーの診断を受けていない限り、穀物を含むドッグフードの方がより安全な選択となる可能性があります。
子犬にはいつからおやつをあげることができますか?
通常、生後2~3ヶ月頃から少量ずつ与えることができます。おやつは1日の総カロリー量の10%を超えないようにし、窒息の危険がない小さなサイズのものを与えてください。子犬専用のおやつを選ぶのがおすすめです。

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参考文献

[1] Fascetti AJ, Delaney SJ. Applied Veterinary Clinical Nutrition, 2nd Edition — Chapter 8: Commercial and Home-Prepared Diets. Wiley-Blackwell, 2024.

[2] Hand MS, Thatcher CD, Remillard RL, Roudebush P. Small Animal Clinical Nutrition, 5th Edition — Chapter 17: Feeding Growing Puppies. Mark Morris Institute, 2010.

[3] Schaer M, Gaschen F. Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Edition — Chapter 25: Nutritional Support. CRC Press, 2022.

この情報は獣医学の文献に基づいて作成されており、診断・治療に代わるものではありません。具体的な健康上の問題は獣医師にご相談ください。

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