犬の大腿骨頭切除術(FHO)後の段階別リハビリ運動と、自宅で必ず心がけてほしいケアのポイントについて、獣医外科学の教科書に基づいてまとめました。

| 項目 | 第1段階(0~2週) | 第2段階(2~4週) | 第3段階(4~8週) | 第4段階(8週以降) |
|---|---|---|---|---|
| 目標 | 痛みの管理・浮腫の緩和 | 体重負荷の開始 | 筋力の回復 | 通常活動への復帰 |
| 代表的な運動 | 他動的関節運動・冷罨法 | 短いリードでの散歩5分 | 傾斜歩行・水中治療 | 階段・ジャンプを徐々に許可 |
| 1日の運動量 | 5分 × 3回 | 10分 × 2回 | 15~20分 × 2回 | 30分以上が可能 |
| 禁忌となる行動 | ジャンプ・走ることを絶対禁止 | 滑りやすい床を禁止 | 急な方向転換を禁止 | 長時間の高強度運動に注意 |
Millis & Levine, Canine Rehabilitation and Physical Therapy(2014)に基づいています

このような兆候が見られたら、すぐに病院へ!
リハビリテーション中にも合併症が生じる可能性があります。以下の兆候が一つでも見られた場合は、運動を中止し、すぐに動物病院を受診してください。 - 手術部位から膿や悪臭、出血がある - 手術後2週間経過しても、患肢を一切床につけない - 運動中に突然悲鳴を上げたり、足を震わせたりする - 食欲不振が3日以上続く - 手術部位が赤く腫れ、熱感を伴う 特に2週間経過しても患肢を使用しない場合は、偽関節の形成に失敗している可能性があります。

FHOリハビリテーションの成功における3つの重要な要素
獣医外科の専門チームが語る、リハビリ成功の鍵です。 1. - 継続性: 数日休むだけで筋肉が急速に減少する可能性があります。毎日決まった時間に、ルーティンとして行うことが大切です。脚を動かしていなかった期間が長いほど、失われた筋肉を回復させるにはその期間の2〜4倍の時間がかかることがあります。 2. - 疼痛管理: 痛みがあると脚を使わなくなります。処方された鎮痛剤は必ず与え、決して自己判断で用量を変えてはいけません。 3. - 体重管理: 体重が増えると関節への負担が大きくなるため、標準体重を維持することが望ましいです。具体的な減量目標や与える量は自己判断せず、主治医と相談して決定してください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Fossum TW. Small Animal Surgery. 5th ed. Elsevier; 2019. Chapter: Diseases of the Joints - Femoral Head and Neck Excision
[2] Millis DL, Levine D. Canine Rehabilitation and Physical Therapy. 2nd ed. Elsevier; 2014
[3] Tobias KM, Johnston SA. Veterinary Surgery: Small Animal. 2nd ed. Elsevier; 2018
[4] Grisneaux E et al., Comparison of postoperative analgesic effects after FHO in dogs. J Am Vet Med Assoc, 1999