リンパ節吸引検査は、腫れたリンパ節の原因を究明するための最も基本的で安全な診断法です。検査結果に記載されている専門用語とその意味を、飼い主様にも分かりやすい言葉で解説いたします。


| 項目 | 探し方 | 正常なサイズの目安 |
|---|---|---|
| 下顎リンパ節 | あご下の両側を優しく押す | 豆粒大 |
| 肩前リンパ節 | 前足の付け根の内側 | 豆粒大 |
| 腋窩リンパ節 | 前足の内側の奥 | 触れにくいのが正常 |
| 鼠径リンパ節 | 後ろ足の付け根の内側 | 豆粒〜うずらの卵大 |
| 膝窩リンパ節 | 後ろ足の膝関節の裏側 | 豆粒大 |
うずらの卵より大きい、または左右の差がはっきりしている場合は検査を受けてください

このような結果の場合は、すぐに追加検査が必要です。
検査結果に「リンパ腫疑い」「悪性細胞の発見」「転移性腫瘍細胞」などの記載がある場合は、24〜48時間以内に再検査の予約を入れてください。リンパ腫は進行が速いため、数日の差で治療のタイミングが変わる可能性があります。また、穿刺検査だけでは確定診断が難しいケースも多く、リンパ節切除生検、免疫表現型検査、胸部・腹部の画像検査が併せて行われます。獣医師の指示を先延ばしにせず、すぐに日程を確認してください。

猫を飼っている方は、さらに注意が必要です。
リンパ腫は、猫でも最も一般的な血液(造血)腫瘍の一つです。そのため、猫が急に食欲が落ち、体重が減り、リンパ節が触れるようになったら、吸引検査を先延ばしにしないでください。猫のリンパ腫は消化管(腸間膜リンパ節)や胸腺・縦隔など、複数の部位に発生することがあるため、リンパ節検査に加え、腹部超音波や胸部X線などの画像検査が併せて行われることがよくあります。また、複数のリンパ節が同時に腫れている場合は、一箇所だけでなく複数のリンパ節から同時に標本を採取することが推奨されます。吸引検査で確定診断が得られない場合は、リンパ節を切除する切除生検に進むこともあります。体調が良好に見えても、早期に原因を特定することは、その後の治療方針を決定する上で重要です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Veterinary Surgical Oncology, 2nd Edition, Chapter 14 Hemolymphatic System, Deanna R. Worley, 2022
[2] The Cat, Clinical Medicine and Management, 2nd Edition, Cytology Chapter
[3] Cowell and Tyler's Diagnostic Cytology and Hematology of the Dog and Cat, 5th Edition