愛犬・愛猫の高脂血症の原因や危険信号、低脂肪食による管理法を、獣医学の教科書に基づいてまとめました。膵炎やクッシング症候群などの基礎疾患の確認から食事の切り替えまで、順を追ってお伝えします。


このような場合は、すぐに動物病院へお越しください。
激しい嘔吐、腹痛、元気のなさなどが同時に現れる場合は、高脂血症が急性膵炎へと進行している可能性があります。特に中性脂肪が著しく上昇し、血液が牛乳のように白濁して見えるほど(おおよそ1,000mg/dL付近)の場合には、膵炎をはじめとする合併症のリスクが高まるおそれがあります。そのため、こうした兆候が見られた場合は、迷わずできるだけ早く血液検査と腹部エコー検査を受けて膵臓の状態を確認することをお勧めします。痙攣や意識レベルの低下が伴う場合は緊急事態ですので、ただちに動物病院へお越しください。
| 項目 | 正常 | 境界 | 治療が必要 |
|---|---|---|---|
| 中性脂肪(犬) | <150 mg/dL | 150〜400 mg/dL | >500 mg/dL |
| 中性脂肪(猫) | <100 mg/dL | 100〜200 mg/dL | >300 mg/dL |
| コレステロール(犬) | <270 mg/dL | 270〜350 mg/dL | >500 mg/dL |
| 膵炎リスク | 低い | 注意 | 非常に高い |
獣医内科学の教科書に準拠。実際の判定は獣医師が品種・基礎疾患を総合して決定します。

食事内容を変更する際の注意点
エサを急に替えると、下痢や嘔吐を引き起こすことがあります。今までのエサと新しいエサを混ぜて、7~10日かけてゆっくりと切り替えてください。また、「低脂肪」と表示されていても、必ず成分表の脂肪含有量を確認する必要があります。ミニチュアシュナウザーのように遺伝的な素因がある品種は、生涯にわたり低脂肪食を維持する必要があります。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Ettinger SJ, Feldman EC. Textbook of Veterinary Internal Medicine, 8th Ed. Chapter: Hyperlipidemia in Dogs and Cats
[2] Nelson RW, Couto CG. Small Animal Internal Medicine, 6th Ed. Chapter: Disorders of Lipid Metabolism
[3] Xenoulis PG, Steiner JM. Lipid metabolism and hyperlipidemia in dogs. The Veterinary Journal, 2010
[4] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed. Endocrine and Metabolic Disorders