心雑音のグレードは、聴診で聞こえる雑音の大きさを1〜6段階に分類したものです。各段階の意味や緊急性、病院受診の基準をまとめました。

| 項目 | 音の大きさ | 振動の有無 |
|---|---|---|
| グレード1 | 静かな部屋で数分集中してやっと聞こえる | なし |
| グレード2 | 聴診後、数秒以内に聞こえる弱い音 | なし |
| グレード3 | 中程度の強さではっきり聞こえる | なし |
| グレード4 | 大きく聞こえるが胸の振動はない | なし |
| グレード5 | 大きく聞こえ、胸の振動が感じられる | あり |
| グレード6 | 聴診器を離しても聞こえるほど非常に大きい | あり |
修正Levine分類体系に基づく(Textbook of Cardiovascular Medicine in Dogs and Cats)

このような場合は、すぐに動物病院へ連れて行ってあげてください。
段階の数値よりも、併発する症状の方がより危険なサインです。以下のいずれかに該当する場合は、一刻も早く動物病院へお越しください。 - 失神や突然の倒れ込みの経験がある - 安静時でも呼吸が普段より速い、または苦しそうに見える - 歯ぐきが蒼白または紫色に変色している - 運動後、長期間にわたって呼吸を整えられない - 犬の場合:夜間に咳が繰り返される(猫では、心疾患における咳は典型的な症状ではありません)

飼い主様が誤解されやすい点
「グレードが低い=安全、グレードが高い=末期」という単純な式は正しくありません。雑音のグレードは基礎疾患の重症度と必ずしも比例するものではなく、同じグレードでも動物の年齢・品種・合併症状によって臨床的な意味が大きく異なることがあります。グレードは一つのヒントに過ぎず、最終的な判断は超音波検査・X線検査・血圧・症状などを総合して行われます。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Textbook of Cardiovascular Medicine in Dogs and Cats, Chapter 8 (Auscultation & Murmur Grading)
[2] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed, Cardiology Section
[3] The Veterinary Workbook of Small Animal Clinical Cases, Case 38