猫の制限性心筋症(RCM)は、心筋が硬くなって弛緩しにくくなる疾患です。早期発見と生涯にわたる管理が重要です。

| 項目 | 肥大型心筋症(HCM) | 拘束型心筋症(RCM) |
|---|---|---|
| 問題部位 | 心室壁の肥厚 | 心室筋・心内膜の線維化 |
| 主な機能異常 | 拡張障害+左心室肥大 | 拡張障害が中心、壁の厚さは正常 |
| 好発年齢 | 全年齢、中年が多い | 主に中年以降~高齢、平均約10歳 |
| 好発品種 | メインクーン、ラグドール、ペルシャ | 品種特異性は低い(雑種を含む) |
| 代表的な症状 | 呼吸困難、後肢麻痺 | 呼吸困難、腹水・胸水、元気消失 |
| 診断の要点 | 心臓超音波での壁厚測定 | 心臓超音波+左心房拡大の確認 |
獣医循環器学の教科書における猫の心筋症分類基準

すぐに動物病院へ連れて行くべき緊急のサイン
次の状況は数時間以内に治療が必要な緊急事態です。待たずに直ちに夜間・緊急動物病院へお越しください。 - 口を開けてハアハアと息をしているとき - 歯茎や舌が青紫色に変色しているとき - 突然後ろ足を動かさず、冷たく感じられるとき(動脈血栓塞栓症の疑い) - 失神したり倒れたりするエピソードがあるとき - お腹が急膨らんで見え、呼吸が苦しそうに見えるとき


管理する際に必ず覚えておいてほしいポイント
RCMは診断後も数年にわたり安定した状態が続くことがありますが、定期的なチェックを怠ると急激に悪化することがあります。 - 獣医師と相談して決めた周期で心エコー検査と血液検査を定期的に再評価(子の重症度や状態によって間隔は異なります) - 処方された薬は勝手に中止しない(特に利尿剤・血栓予防薬) - 自宅で睡眠中の呼吸数を定期的に記録 - 夏場の脱水や高温環境は心不全を悪化させる可能性があります - 麻酔や手術の予定がある場合は、必ず心臓の病歴を事前に共有してください

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Textbook of Cardiovascular Medicine in Dogs and Cats, Feline Cardiomyopathies Chapter
[2] The Cat, Clinical Medicine and Management, 2nd Edition, Cardiovascular Disease Chapter
[3] Fuentes VL et al., ACVIM consensus statement guidelines for classification, diagnosis, and management of cardiomyopathies in cats, JVIM, 2020