猫のFIP(伝染性腹膜炎)に伴うぶどう膜炎は、早期発見が難しい疾患であり、目の異常が最初の症状となることもあります。飼い主さんが知っておくべき重要な情報をまとめました。



すぐに動物病院を受診すべきサイン
猫が目をこすったり、目がひどく充血して濁ったりしている場合は、すぐに動物病院へ連れて行ってください。視力が急激に低下したり、目が腫れたり、瞳孔が異常に小さくなったりしている場合は、緊急事態です。これはぶどう膜炎が悪化している可能性や、他の臓器にも影響が及んでいる可能性があるため、獣医師による迅速な診断と治療の開始が必要です。対応が遅れると、失明や眼球の損傷を引き起こす恐れがあります。



| 項目 | 対処法 | 注意事項 |
|---|---|---|
| 目の充血 | 抗炎症薬の服用 | 光を控え、静かな環境を提供する |
| 涙が多い | 清潔な布で優しく拭く | 手で触らない |
| 光を怖がる | 暗い部屋で休ませる | 頻繁な光への露出を避ける |
| 視力低下 | 物の位置を固定し、障害物を取り除く | 獣医師の定期検査を依頼する |
症状によって治療計画が異なるため、獣医師と相談のうえ対処してください。
注意すべき点:治療中の禁忌事項
猫のFIP(伝染性腹膜炎)に伴うぶどう膜炎の治療中は、獣医師が処方したお薬を、決められたスケジュールと用量で正確に使用することが大切です。他の薬を勝手に併用することは避け、併用するかどうかは必ず獣医師にご相談ください。特に一部の免疫刺激剤(ポリプレニル)は、全身用ステロイド(コルチコステロイド)と併用すると生存率がむしろ低下するという報告もあるため、注意が必要です。また、レムデシビルなどの抗ウイルス剤の注射は痛みを伴うことがあるため、必要に応じて鎮痛管理を併用することもあります。お薬の服用スケジュールを忘れないようにし、食欲が落ちたり状態が不安定になったりした場合は、すぐに獣医師にお知らせください。小さな変化でも早めに伝えることが、安全な治療につながります。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Plumb's Veterinary Drug Handbook, 9th Edition, 2022
[2] The Cat: Clinical Medicine and Management, 2nd Edition, 2021
[3] Feline Infectious Peritonitis: Pathogenesis and Clinical Management, Journal of Feline Medicine and Surgery, 2020