猫の心臓疾患において、運動制限は命を守るための重要な対策です。飼い主さんが知っておくべき重要な質問と回答をまとめました。



| 項目 | ACVIMステージ | 状態の説明 | 活動および管理 |
|---|---|---|---|
| リスク群(Stage A) | 構造的な心臓の異常はないが、品種・家族歴などによりリスクが高い状態 | 正常な活動が可能 | 定期検診と心臓超音波評価を推奨 |
| 潜伏期(Stage B1・B2) | 症状のない心筋肥大、左心房拡張の程度でリスクを区分 | 日常活動は可能だが、無理な活動は避ける | 左心房拡張などのリスク因子に応じて獣医師が判断 |
| 心不全期(Stage C) | うっ血性心不全の症状を現在または過去に示した状態 | 活動を減らし、ストレスを最小限にする | 獣医師の薬物・治療の指針を必ず守る |
| 救急・不応性(Stage D) | 治療反応が乏しい重症または急性の心不全 | 安静を中心に最小限の動きのみ | 即時の入院と集中治療が必要 |
心臓疾患のステージは、心臓超音波(特に左心房の大きさ)と臨床症状をもとにACVIM分類(A・B1・B2・C・D)に従って判断され、活動範囲は必ず獣医師と相談して決めます。

呼吸困難が急激に悪化したり、失神したりした場合は、すぐに動物病院を受診する必要があります。
猫が突然息切れしたり、失神したりする場合は、心機能が急激に悪化したり血栓が生じたりしている兆候です。直ちに動物病院を受診するか、応急処置を受けてください。これは命に関わる状況です。

遊びを頻繁に提案したり、無理に活動させたりしないでください。
猫が活発に動き回りたいように見えても、心臓疾患は外見や行動だけで判断することはできません。無理に遊びをさせると心臓に過度な負担がかかり、深刻な合併症を引き起こす可能性があります。飼い主さんのご判断よりも、必ず獣医師の指示に従ってください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] The Cat, Clinical Medicine and Management, 2nd Edition, 2022
[2] Plumb's Veterinary Drug Handbook, 9th Edition, 2021
[3] Journal of Veterinary Internal Medicine, 35(1):58–67, 2020