猫の駆虫薬は、寄生虫の種類によって効果的な成分が異なります。回虫・条虫・鉤虫からフィラリア症まで、どの駆虫薬をいつどのように使用すべきか、わかりやすくまとめました。

| 項目 | フェンベンダゾール | パイランテル | プラジカンテル | ミルベマイシン複合 | モキシデクチン(外用) |
|---|---|---|---|---|---|
| 回虫・鉤虫の駆除 | ✓ | ✓ | ✗ | ✓ | ✓ |
| 条虫(サナダムシ)の駆除 | ✗ | ✗ | ✓ | ✓ | ✗ |
| 鞭虫の駆除 | ✓ | ✗ | ✗ | ✓ | ✗ |
| ジアルジア | ✓ | ✗ | ✗ | ✗ | ✗ |
| フィラリア予防 | ✗ | ✗ | ✗ | ✓ | ✓ |
| 剤形 | 経口 | 経口 | 経口 | 経口 | 外用スポットオン |
| 処方の要否 | 一部処方 | 一般用医薬品 | 一部処方 | 処方 | 処方 |
成分の組み合わせや製品によって適応が異なる場合があります。必ず獣医師に相談のうえ選択してください。

駆虫薬を投与する前に、必ず確認すべき事項
体重に合わない用量は、かえって危険になる可能性があります。正確な用量は必ず獣医師が決定する必要があります。 注意が必要な対象: 生後6週間未満の猫、重度の基礎疾患がある猫、妊娠中・授乳中の猫は、獣医師と相談してから投与してください。 犬専用の駆虫薬(ペルメトリン系を含む)は、猫に絶対に使用してはいけません。重度の神経毒性を引き起こす可能性があります。

フィラリア症感染が疑われる猫の場合、予防薬投与前の検査は必須です
猫は犬とは異なり、血液中に微細フィラリア(ミクロフィラリア)が検出されることは稀です。そのため、承認されているフィラリア症予防薬は、抗原・抗体検査で陽性反応を示した猫に対しても投与可能です。つまり、予防薬そのものが急性ショックを引き起こすのではなく、重度のショックや呼吸器症状は、肺血管に到達した未成熟な虫体や成虫が死滅する過程に関連して現れるものです。それでも、蚊が多い流行地域では、正確な診断のために抗原・抗体検査を受けておくことが望ましく、予防は蚊の活動が始まってから30日以内に開始することが推奨されます。検査の時期と予防計画は、必ず獣医師と相談して決定してください。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Plumb DC, Plumb's Veterinary Drug Handbook, 10th Ed, Wiley-Blackwell, 2023
[2] Little SE et al., The Cat: Clinical Medicine and Management, 2nd Ed, Saunders Elsevier, 2020
[3] Schaer M et al., Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed, CRC Press, 2022
[4] Volmer PA et al., Blackwell's Five-Minute Veterinary Consult Clinical Companion: Small Animal Toxicology, 3rd Ed, Wiley-Blackwell, 2024