猫の膀胱結石は、種類によって食事療法のアプローチが真逆になります。ストルバイト結石は溶解させることが可能ですが、シュウ酸カルシウム結石の場合は手術が必要となることが多く、再発率も高いため、生涯にわたる療法食での管理が最も重要です。

| 項目 | ストルバイト | シュウ酸カルシウム |
|---|---|---|
| 主な成分 | リン酸アンモニウムマグネシウム(struvite) | シュウ酸カルシウム(calcium oxalate) |
| 尿pHの環境 | アルカリ性(pH7.0以上)で形成されやすい | 比較的広いpHで形成されうるため、特定の酸性依存性は低い |
| 食事で溶解できる? | 可能(滅菌時は平均1~4週、場合によってはより長く) | 不可能 — 手術または処置で除去 |
| 処方食の目標pH | 酸性化(約5.5~6.5) | アルカリ化(約6.6~7.5) |
| マグネシウム | 低マグネシウム | 正常レベルを維持(過度の制限・補充のいずれも推奨されません) |
| 再発の傾向 | 管理すれば比較的良好ですが再発の可能性あり | 除去後も再発が多い |
2種類の結石を同時に持つ猫もいるため、正確な成分分析が欠かせません

このような場合は、すぐに動物病院の救急外来を受診する必要があります。
オスの猫が24時間以上排尿できない場合、あるいは排尿姿勢をとっても一滴も出ない場合は、尿道閉塞の可能性が非常に高いです。尿道閉塞は24〜72時間以内に腎不全、高カリウム血症、心停止へと進行する緊急事態です。結石が尿道に詰まって閉塞しているため、直ちにカテーテル挿入と応急処置が必要です。腹部が張って苦痛の声を上げたり、ぐったりと元気がなくなったりした場合は、ためらわずに夜間対応可能な動物病院へお越しください。

処方食を与える際に必ず守るべきルール
泌尿器系処方食は、獣医師の指示なしに勝手に開始したり中止したりしてはいけません。ストルバイト結石用の処方食をシュウ酸カルシウム結石の猫に与えると、かえって結石が急速に成長する恐れがあります。また、腎不全や心臓病を併発している猫の場合、一部の処方食に含まれるナトリウム量が負担になる可能性があります。定期的に尿検査でpH値や結晶尿を確認し、半年に一度は処方食の適応性を再評価することが安全です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[2] Applied Veterinary Clinical Nutrition, 2nd Edition — Crystal-Related Lower Urinary Tract Disease
[3] The Cat, Clinical Medicine and Management, 2nd Edition — Lower Urinary Tract Disease
[4] Adams LG, Berent AC, Moore GE, Bagley DH. Use of laser lithotripsy for fragmentation of uroliths in dogs: 73 cases. JAVMA. 2008;232(11):1680-7.