狂犬病は、一度感染すると治療法がなく、致死率がほぼ100%に達する病気です。ここでは、犬の場合は法的義務、猫の場合は強く推奨される狂犬病ワクチンの接種時期、方法、そして接種後のケアについてまとめました。

ワクチン接種前に必ず確認してください
ワクチン接種は、愛犬・愛猫の健康状態が良好な時のみ可能です。発熱、下痢、嘔吐など体調不良の場合は、必ず獣医師にご相談いただき、接種日程を調整してください。妊娠中や免疫抑制療法を受けている場合、また過去にワクチンアレルギー反応の経験がある場合も、事前に獣医師に必ずお知らせください。

| 区分 | 初回接種時期 | 追加接種 | 法的義務 |
|---|---|---|---|
| 犬 | 生後12週(3ヶ月) | 年1回(国内法規基準) | 義務(動物保護法) |
| 猫 | 生後8~12週(ワクチン種類による) | 年1回または3年ごと(ワクチン・法規による) | 推奨(外出猫は必須) |

猫の飼い主様は、接種部位を注意深く観察してください。
獣医学の教科書によると、猫はまれにワクチン接種部位に「ワクチン接種部位肉腫(FISS)」という腫瘍を発症することがあります。米国では、ワクチン接種を受けた猫1万頭あたり約1~4頭で発症が報告されるまれな合併症ですが、発症した場合の予後は非常に不良となる可能性があります。接種部位に硬く、流動性のない塊が触知されたり、次第に大きくなったりする場合は、必ず獣医師の診察を受けてください。最近では、このようなリスクを低減するため、従来の肩甲骨周囲の接種部位ではなく、しっぽなどの代替部位での接種が研究・推奨される傾向にあります。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Day MJ, Horzinek MC, Schultz RD, Squires RA. WSAVA Guidelines for the Vaccination of Dogs and Cats. Journal of Small Animal Practice. 2016.
[2] Scherk MA, Ford RB, Gaskell RM, et al. 2013 AAFP Feline Vaccination Advisory Panel Report. Journal of Feline Medicine and Surgery. 2013;15(9):785-808.
[3] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed — Chapter 20: Infectious Diseases and Vaccination (Rabies section)
[4] The Cat, Clinical Medicine and Management, 2nd Edition — Chapter 8: Vaccination Recommendations (Table 8.4)
[5] 대한민국 동물보호법 시행규칙 — 등록대상동물의 예방접종 의무 조항