犬の塩中毒は、ナトリウムの過剰摂取により神経系に障害が生じる緊急の疾患です。体重別の危険摂取量から家庭での応急処置、動物病院での治療プロセスまで、獣医学顧問チームがまとめました。


今すぐ救急病院へ連れて行くべきサイン
痙攣、意識の低下、全身の強直(筋肉の硬直)、繰り返す嘔吐といった神経系や消化器系の症状が一つでも見られたら、すぐに動物病院の救急外来を受診してください。塩分中毒の症状は、通常摂取から30~45分後に現れますが、場合によっては数時間遅れて発現することもあります。そのため、最初は元気そうに見えても、時間が経つと脳浮腫などの神経症状が現れる可能性があります。摂取量が多い場合は、症状がなくても当日中に病院で診察を受け、最低12時間以上観察・入院して血中ナトリウム濃度を確認するのが安全です。


絶対にやってはいけない失敗3つ
①嘔吐を誘発しないこと——すでに症状が出ている場合、嘔吐を誘発すると誤嚥性肺炎のリスクが高まります。②大量の水を与えないこと——一度に多くの水を与えると、ナトリウムが急激に薄まり、脳浮腫が悪化する可能性があります。③「大丈夫そう」と見て見ぬふりしないこと——塩中毒は初期には元気そうに見えても、数時間後に突然悪化することがあります。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Osweiler GD et al., Blackwell's Five-Minute Veterinary Consult Clinical Companion: Small Animal Toxicology, 3rd Edition, Wiley-Blackwell, 2016
[2] Schaer M, Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed, CRC Press, 2022
[3] Plumb DC, Plumb's Veterinary Drug Handbook, 10th Ed, Wiley-Blackwell, 2023