猫の多飲多尿(PU/PD)は、尿量が増加するのと同時に水分摂取量も増える症状であり、慢性腎臓病や糖尿病などの深刻な疾患の初期兆候である可能性があります。早期発見と正確な診断が重要です。



すぐに病院を受診する必要がある場合
猫が1日あたり体重1kgあたり45mL以上の水を飲んだり、尿量が急激に増えたり、食欲がなかったり嘔吐を繰り返したりする場合は、すぐに動物病院を受診する必要があります。これは糖尿病や急性腎障害の兆候である可能性があります。



猫の品種別注意点
猫の多飲多尿は、慢性腎臓病、糖尿病、副腎皮質機能亢進症など、さまざまな疾患でみられる症状です。特に中年以降(約5~16歳)のシニア猫でより多く観察されます。特定の品種に限定されるものではなく、日頃から水の摂取量と尿の量をしっかり記録し、定期的に健康診断を受けることが重要です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
| 項目 | 主な症状 | 主な検査 | 治療の方向性 |
|---|---|---|---|
| 慢性腎臓病 | 尿量の増加、体重減少、疲労感 | 血液検査(クレアチニン、BUN)、尿検査 | 低タンパク食、薬物治療、水分補給 |
| 糖尿病 | 多飲、体重減少、食欲増加 | 血液検査(血糖)、尿検査(尿糖) | インスリン注射、食事管理、定期的なモニタリング |
| 副腎皮質機能亢進症 | 多飲、多尿、筋力低下 | 血液検査(コルチゾール)、超音波検査 | ホルモン調整薬、手術(必要時) |
原因によって症状と治療の方向性が変わるため、正確な診断が不可欠です。
シェア
[1] The Veterinary Workbook of Small Animal Clinical Cases, Case 21, 2020
[2] The Cat, Clinical Medicine and Management, 2nd Edition, 2018
[3] Urinalysis in the Dog and Cat, 2019