犬の結膜炎は、結膜に炎症が生じ、充血や目やに、涙が増える眼科疾患です。原因別の症状の違いと目薬の使い方を、保護者の視点でまとめました。


🚨 すぐに動物病院へ連れて行かなければならないサイン
以下のいずれかに該当する場合は、単純な結膜炎ではない可能性が高いです。初期の症状が角膜潰瘍、緑内障、ぶどう膜炎などの緊急疾患と似ているためです。自己判断で目薬を点眼せず、すぐに動物病院へお越しください。 - 目を全く開けられない、または斜視のように片方の目だけを閉じている - 黒目(角膜)に白い点や白濁した部分が見える - 24時間以内に充血がさらに悪化した - 目を強くこすり、自己傷害しようとしている - 片方の目だけが突然腫れ上がった

| 項目 | 細菌性 | アレルギー性 | ウイルス性 | 乾性角結膜炎 |
|---|---|---|---|---|
| 目やにの色 | 黄・緑 | 透明 | 透明→黄 | 粘り気のある粘液質 |
| 両側/片側 | 主に片側 | 両側 | 両側 | 両側・慢性 |
| かゆみ | 普通 | 強い | 弱い | 普通 |
| 主な点眼薬 | 抗生物質 | 抗ヒスタミン薬・ステロイド | 抗生物質(二次)・抗ウイルス薬 | 人工涙液・シクロスポリン |
| 治療期間 | 7〜14日 | 環境管理を併行 | 10〜21日 | 生涯管理 |
正確な診断にはフルオレセイン染色・涙液量検査のあと獣医師の判断が必要です
品種別の注意点 — 結膜炎にかかりやすい犬たち
短頭種や長毛種は、解剖学的な構造上、結膜炎にかかりやすい傾向があります。普段から週に1〜2回、目の周囲をチェックしてあげてください。 - シーズー・ペキニーズ・パグ: 目が飛び出ているため、乾燥や異物による刺激に弱いです。 - ブルドッグ・ボクサー: 眼瞼内反(まぶたが内側に巻き込み、まつ毛が目を擦る状態)により、慢性的な刺激が生じる可能性があります。 - コッカー・スパニエル: 乾性角結膜炎(涙の分泌不足)になりやすい品種として知られており、涙の量を定期的に確認してあげるのが良いでしょう。 - マルチーズ・ヨークシャー・テリア: 長い毛が目を刺して、慢性結膜炎を引き起こすことがあります。 - プードル: アレルギー(アトピー)関連の結膜炎が比較的よく見られます。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Esson DW, Calvarese S. Clinical Atlas of Canine and Feline Ophthalmic Disease, 2nd Edition, John Wiley & Sons, 2022
[2] Schaer M, Gaschen F. Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Edition, CRC Press, 2017
[3] Robinson NJ, et al. 100 Top Consultations in Small Animal General Practice, Wiley-Blackwell