ミニチュア・プードルは、膝蓋骨溝が浅く大腿骨の変形を伴うため、膝蓋骨脱臼を頻発しやすい傾向があります。ここでは、1~4段階の判定基準と、各段階に応じたケアや手術の判断ポイントをまとめました。


| 項目 | グレード1 | グレード2 | グレード3 | グレード4 |
|---|---|---|---|---|
| 脱臼の頻度 | 手で押すと外れます | 時々自然に外れます | ほぼ常に外れた状態 | 常に外れていて戻りません |
| 歩行異常 | ほとんどありません | 時々ケンケンする歩き方 | 持続的な跛行 | 重度の跛行・後ろ足の屈曲 |
| 滑車溝の深さ | 正常~やや浅い | 浅い | 非常に浅いか平ら | 変形が深刻 |
| 保存療法の効果 | 効果あり | 限定的な効果 | ほとんどありません | ありません |
| 手術の推奨度 | 不要(経過観察) | 症状があれば検討 | 推奨 | 必須 |
グレードの判定は必ず獣医師の触診と画像検査で確定する必要があります。
すぐに動物病院で診察が必要なサイン
足が全く着地できない、膝が腫れて触ると激しく痛がる場合は、単なる脱臼ではなく靭帯断裂(前十字靭帯断裂)を伴っている可能性があります。実際、膝蓋骨脱臼のある犬の約15〜20%で、時間が経つにつれて前十字靭帯断裂に至るという報告があり、慢性的な脱臼から突然跛行がひどくなった場合は、まず前十字靭帯断裂を疑います。24時間以上足を動かさない、あるいは腫れがひどい場合は、その日中に動物病院を受診してください。

手術後8週間が結果を左右します。
膝蓋骨手術の成功率は、手術そのものよりも術後の回復期管理によって大きく左右されます。手術後2週間は絶対安静とケージでの休息が必要で、3〜4週目からは短いリードでの散歩から段階的にリハビリを開始します。8週間を過ぎる前にジャンプや階段、走りを許可すると、再発率が大幅に上がります。飼い主さんが最も失敗しやすいのが、5〜6週目の「かなり良くなったように見える時期」です。この時期に活動を制限し続けることが重要です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Textbook of Veterinary Orthopaedic Surgery, Chapter 11 Stifle Joint Disorders
[2] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Edition, Patellar Luxation Pathophysiology
[3] 100 Top Consultations in Small Animal General Practice, Patellar Luxation
[4] Piermattei DL, Flo GL, DeCamp CE, Brinker, Piermattei and Flo's Handbook of Small Animal Orthopedics and Fracture Repair, 5th Edition