治療マッサージは、犬や猫の痛み緩和と循環改善に役立つ非薬物の補助療法です。ストローク、エフルレージュ、ペトリサージュの3つの技法と、安全上の注意点をまとめました。

| 項目 | ストローキング(Stroking) | エフルラージュ(Effleurage) | ペトリサージュ(Pétrissage) |
|---|---|---|---|
| 圧力 | 非常に弱い | 弱い~中程度 | 中程度 |
| 方向 | 毛並みの方向(頭→尾) | 心臓の方向へなで上げる | 円を描くように揉む |
| 主な効果 | 鎮静・リラックス | むくみ・リンパの循環 | 筋肉のこりの緩和 |
| 初心者の飼い主への推奨度 | True | True | False |
| 推奨時間 | 3~5分 | 5分前後 | 2~3分 |
獣医麻酔・疼痛管理の教科書(第3版)に基づいて整理

絶対にマッサージをしてはいけない状況
次のいずれかに該当する場合は、マッサージを中止し、動物病院を受診してください。普段より体温が高く、体が熱く感じられるとき、触れた際に悲鳴を上げたり激しい痛みを示す部位があるとき、皮膚に傷・発疹・しこりがあるときです。骨折や脱臼が疑われる脚、妊娠後期の腹部、腫瘍と診断された部位は絶対に触れないでください。マッサージは血流を促進する療法であるため、急性炎症のある部位に実施すると、かえって症状を悪化させる可能性があります。少しでも不安な場合は、中止して担当の獣医師の判断を優先することが安全です。

手術後のマッサージは、獣医師の指示に従って行ってください。
整形外科手術(膝蓋骨脱臼や前十字靭帯断裂など)後のリハビリテーションマッサージは効果が高いですが、開始時期、部位、強さは必ず担当の獣医師が決定する必要があります。一般的には縫合部位への直接マッサージは禁止されており、縫合部から離れた筋肉から徐々に始めていきます。術後の家庭でのケアについて詳しく知りたい方は、「術後の回復管理ガイド」をご覧ください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Small Animal Critical Care Medicine, 3rd Ed — Chapter 136: Integrative Veterinary Medicine for the Intensive Care Unit Patient
[2] Small Animal Anesthesia and Pain Management: A Color Handbook, 3rd Edition — Chapter 30: Manual Therapy Modalities
[3] Textbook of Veterinary Orthopaedic Surgery — Rehabilitation Chapter
[4] Boitor M, Martorella G, Maheu C, et al., Effects of massage in reducing pain, 2018