脳下垂体腫瘍はホルモン分泌に乱れを引き起こし、クッシング症候群や尿崩症などの症状を引き起こします。早期発見と精密な画像検査が治療の成否を分けます。

| 項目 | 犬 | 猫 |
|---|---|---|
| 最も多いタイプ | 下垂体性クッシング症候群 | 先端巨大症(成長ホルモン過多) |
| 主なホルモン | ACTH → コルチゾール↑ | 成長ホルモン(GH)過多↑ |
| 代表的な症状 | 多飲多尿、腹部の垂れ下がり、脱毛 | 糖尿病のコントロール不良、顔・足の肥大 |
| 発症年齢 | 中高年〜老齢(個体ごとの差あり) | 中高年〜老齢(個体ごとの差あり) |
獣医内科学教科書に基づく一般的な傾向であり、個体ごとの差があります。

すぐに病院へ連れて行かなければならない場合
痙攣、突発的な失明、円を描くような回旋行動、極度の無気力が24時間以上続く場合は、下垂体腫瘍が拡大して周囲の脳組織を圧迫している「下垂体巨大腫瘍」の可能性があります。この場合、時間が予後を左右します。応急処置が可能な動物病院へ直ちに搬送してください。

薬物治療中に必ず守るべきポイント
トリロスタンのようなホルモン調節剤は、わずかな過量でも低コルチゾール血症(アジソン危機)を引き起こす可能性があります。嘔吐、下痢、強い無気力が認められた場合は、直ちに投薬を中止し、獣医師にご連絡ください。定期的なホルモン再検査は選択肢ではなく、必須です。検査の間隔は治療経過や薬物反応に応じて獣医師が決定しますから、処方指示に従い、欠かさず受診してください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Withrow & MacEwen's Small Animal Clinical Oncology, 6th Edition, Ch. Tumors of the Endocrine System
[2] Veterinary Surgical Oncology, 2nd Ed, Ch. Intracranial Tumors
[3] The Cat, Clinical Medicine and Management, 2nd Edition, Ch. Neurologic Disorders
[4] Hu H, Barker A, Harcourt-Brown T, Jeffery N. Systematic review of brain tumor treatment in dogs. J Vet Intern Med, 2015