犬と猫の糞便検査における浮遊法と塗抹法の違い、そして結果の解釈方法について、獣医学の基準に基づいてまとめました。いつ検査を受けるべきか、どのような寄生虫や細菌を検出できるか、一度に確認することができます。

| 項目 | 浮遊法 | 塗抹法 | 抗原検査 |
|---|---|---|---|
| 主な検出対象 | 寄生虫の卵(回虫・鞭虫・鉤虫) | 原虫・細菌・酵母 | ジアルジア・クリプトスポリジウムなど特定の病原体 |
| 検査時間 | 約30~60分(静置時間を含む) | 5~10分 | 10~15分 |
| 感度 | 中~高 | 低い(新鮮な便が必要) | 高い |
| 試薬の使用 | 飽和砂糖・硫酸亜鉛溶液 | 生理食塩水 | 専用キット |
| 費用水準 | 安価 | 安価 | 中程度 |
実際の検査費用は動物病院ごとに差があります。

便のサンプル採取時の注意事項
検査の精度はサンプルの状態に大きく左右されます。新鮮な糞便(1~2時間以内)を密閉容器に入れて持ち込み、土や砂が混入しないようご注意ください。夏場は冷蔵保存が必要です。冷凍すると原虫が破壊されるため、絶対に凍らせないでください。下痢の場合は、下痢している部分をそのまま容器に入れてお持ちください。

このような症状が見られる場合は、すぐに動物病院へお越しください。
血便や黒いタール状の便、粘液を伴う下痢、24時間以上続く下痢、嘔吐を伴う下痢、犬や猫の急性下痢は緊急事態です。寄生虫だけでなく、パルボウイルス、腸炎、中毒などの深刻な疾患が原因である可能性があります。このような場合は、糞便検査に加えて血液検査や画像検査が必要になることがあるので、すぐに動物病院へお越しください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Zajac, A.M., Conboy, G.A., Veterinary Clinical Parasitology, 8th Edition, 2012
[2] Ettinger, S.J., Feldman, E.C., Textbook of Veterinary Internal Medicine, 8th Edition
[3] Nelson, R.W., Couto, C.G., Small Animal Internal Medicine, 6th Edition
[4] Companion Animal Parasite Council (CAPC) Guidelines, 2023