犬の肺の聴診所見は、呼吸器疾患の早期発見において極めて重要です。飼い主さんが知っておくべき主な所見と、それに対する対処法をまとめました。



| 項目 | 主な疾患 | 特徴 | 対処の方向性 |
|---|---|---|---|
| 粗い音 | 気管支炎、気管支拡張症、気管・気管支軟化症 | 咳、痰、呼吸困難 | 追加検査後、症状に応じて気管支の保護、必要に応じて抗生物質による治療 |
| パチパチと割れるような音 | 肺炎、肺水腫 | 呼吸困難、元気消失・食欲低下などの全身症状を伴う | レントゲン撮影および血液検査後、原因に応じた治療 |
| 笛のような音 | 気道狭窄、気管支の炎症、気道虚脱 | 運動後の症状悪化、呼吸困難 | 追加検査後、原因に応じて薬物または手術による治療を検討 |
| 音の減弱 | 胸水(胸膜滲出)、気胸、肺気腫 | 呼吸困難、活動力の低下、口が青くなる | すぐに診療と応急処置が必要 |
聴診所見は疾患診断の重要な手がかりですが、必ず追加検査とあわせて考慮する必要があります。
すぐに動物病院を受診する必要がある状況
犬が呼吸困難、口から泡を吹く症状、口が青紫色に変色したり意識が朦朧とする場合は、直ちに動物病院へ連れて行ってください。これは命に関わる緊急事態です。特に胸部の聴診で著しい異常が認められる場合は、ただちに診察を受ける必要があります。獣医師の判断が重要となるため、飼い主さんはご自身で過度に判断を下すのを避け、専門家の助けを求めるのが最も安全です。




タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Canine and Feline Respiratory Medicine, 3rd Edition, 2020
[2] Textbook of Respiratory Disease in Dogs and Cats, 2019
[3] Small Animal Cytologic Diagnosis Canine and Feline Disease, 2nd Edition, 2020