犬が自分の体を舐めたり吠えたりするのは、皮膚や関節のトラブル、あるいは不安などの要因が複合して現れるサインです。原因別の見分け方と、自宅でできるケア方法をまとめました。

| 項目 | 皮膚の問題 | 関節・痛み | 行動・心理 |
|---|---|---|---|
| 舐める部位 | お腹・脇・足 | 膝・股関節・足首 | 前足・脇腹に固定 |
| 併発する症状 | 赤み・脱毛・フケ | 歩行異常・跛行 | 吠える・うろつき |
| 時間帯 | 一日中 | 休んで起き上がるとき | 一人でいるとき |
| 改善方法 | 皮膚科の受診 | 整形外科の受診 | 行動矯正・環境改善 |
3つが複合的に現れる場合も多いです。

このような場合は、すぐに動物病院へお越しください。
同じ部位を24時間以上舐めて赤く荒れていたり、舐めながら痛がっている様子(うめき声や唸り声など)が見られる場合は、緊急での受診が必要です。また、舐めると同時に吠えたり、食欲が落ちたり、脚を引きずったりする場合は整形外科や神経系の疾患が疑われるため、すぐに受診してください。また、自分の体を噛み砕くほど強迫的な行動がひどくなる場合も、必ず獣医師にご相談ください。

品種・状況別の注意点
ドーベルマンやラブラドールなどの大型犬種では、前足の先を繰り返し舐める「末端舐め皮膚炎(アクラル・リック・デルマティティス)」を発症しやすいことで知られています。ただし、この行動が単なる強迫観念だけでなく、かゆみ(アトピーや細菌感染症など)や関節・神経系の痛みといった身体的な原因で引き起こされる場合も多いため、原因の鑑別が重要です。シーズーやフレンチブルドッグなど、しわの多い犬種では、しわの間の炎症(間擦疹)やマラセチア感染症により、舐め行動が増加することがあります。また、犬が突然舐め行動と鳴き声を併発している場合は、消化器系の不調などの内科的な問題が考えられるため、軽視しないようにしてください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Horwitz D., Mills D., BSAVA Manual of Canine and Feline Behavioural Medicine, 2nd Edition, 2009
[2] Landsberg G., Hunthausen W., Ackerman L., Behavior Problems of the Dog and Cat, 4th Edition, 2023
[3] Miller W.H., Griffin C.E., Campbell K.L., Muller and Kirk's Small Animal Dermatology, 8th Edition, 2022