犬の心不全は、ACVIMの基準に基づき病期ごとに管理方法が異なります。保護者の皆様にご理解いただくべき重要な情報をまとめました。



| 項目 | 主な治療 | 薬物の例 | 管理のポイント |
|---|---|---|---|
| A | リスク管理・予防 | 一般的に薬物治療は行わない | 定期健診、聴診・心臓超音波での経過観察 |
| B | 進行のモニタリング(B2で薬物を開始) | 心拡大が明らかなB2でピモベンダンなど(獣医師の判断) | 定期的な心臓超音波、低塩食・食事管理 |
| C | うっ血性心不全の症状緩和 | ACE阻害薬+利尿薬+ピモベンダン | 水分・塩分の調整、呼吸状態の観察 |
| D | 難治性心不全の集中管理 | ACE阻害薬+利尿薬+ピモベンダン(用量調整)+酸素療法 | 入院・精密モニタリング、電解質の経過観察 |
治療は獣医師が体重と状態に合わせて決定します。薬物の服用を自己判断で中止しないでください。

すぐに病院を受診する必要があるサイン
犬が息切れや激しい咳を見せたら、すぐに動物病院へ連れて行ってください。これは心不全が悪化しているサインです。

薬を服用中の注意事項
ACE阻害薬、利尿薬、スピロノラクトンを服用している際は、電解質(特にカリウム)の変動が生じる可能性があるため、定期的な血液検査によるモニタリングが必要です。元気がなくなったり、食欲が落ちたり、突然倒れるなどの異常が見られた場合は、すぐに獣医師にご連絡ください。お薬はご自身で勝手に中止しないでください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Braun et al. (2021) Textbook of Cardiovascular Medicine in Dogs and Cats. 4th ed. Wiley-Blackwell.
[2] Kittleson et al. (2019) Handbook of Veterinary Pharmacology. 3rd ed. Elsevier.
[3] American College of Veterinary Internal Medicine (ACVIM) Consensus Statement on Canine Heart Failure (2020). Journal of Veterinary Internal Medicine, 34(3), 1021–1035.