猫の腫瘍の予後は、腫瘍の種類、病期、治療法によって大きく異なります。早期発見と適切な治療により、生存期間を大幅に延ばすことが可能です。




| 項目 | 転移の有無 | 予後の傾向 | 治療の可能性 |
|---|---|---|---|
| I期 | なし(局所) | 比較的良好で、完全切除の場合は生存期間が長くなる傾向 | 高い |
| II期 | 局所リンパ節の可能性あり | 中程度で、腫瘍の大きさ・組織学的グレードによって異なる | 中程度 |
| III期 | 局所転移 | 要注意(guarded)で、転移は予後不良因子 | 低い |
| IV期 | 遠隔転移 | 不良で、遠隔転移がある場合は生存期間が短くなる傾向 | 非常に低い |
病期はTNM分類の基準に従って決定されます。生存期間は腫瘍の種類・大きさ・組織学的グレードによって大きく異なり、例えば結腸腺癌は完全切除後の生存期間中央値が約138日、乳腺腫瘍は3cmを超える場合は約6か月・2~3cmでは約2年と報告されています。転移(リンパ節・遠隔)は共通して予後不良因子です。
早期発見が生存期間を左右します。
猫が突然、食欲低下、体重減少、息切れ、腹部膨満を示す場合は、直ちに動物病院を受診してください。これらは腫瘍の前兆である可能性があります。早期診断により生存期間を数ヶ月から数年延ばすことができるため、定期的な健康診断が不可欠です。

手術後の再発リスクが高いです
手術で腫瘍を切除した猫でも、再発する可能性があります。特に切除が不十分だった場合や悪性腫瘍の場合は、局所再発率が高いことが報告されています。例えば、猫の注射部位肉腫は完全切除後でも局所再発が報告されており(研究によって割合は異なります)、腫瘍の種類や切除範囲によって再発リスクが異なります。そのため、定期的な経過観察が不可欠です。獣医師が推奨する検査(血液検査、超音波検査、X線検査など)は必ず受けてください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] The Cat, Clinical Medicine and Management, 2nd Edition, 2023
[2] Veterinary Surgical Oncology, 2nd Edition, 2021
[3] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Edition, 2022