犬の「鎮静シグナル」とは、ストレスや不快感を和らげようとするボディランゲージのサインです。あくび、唇をなめる、目をそらすなど、代表的な16種類のサインを写真付きでまとめました。

| 項目 | よく見られる状況 |
|---|---|
| 1. あくび | 緊張・退屈・葛藤の回避 |
| 2. 唇をなめる(舌を出す) | 不快・プレッシャーを感じるとき |
| 3. 目をそらす・視線を避ける | 相手を落ち着かせようとするとき |
| 4. 顔をそむける | 正面から見つめられるのが負担なとき |
| 5. 背を向ける | 強い拒絶・葛藤の回避 |
| 6. ゆっくり動く | 相手を刺激しないようにするとき |
| 7. においを嗅ぐ(地面をクンクン) | 気まずさ・視線の回避 |
| 8. カーブを描いて歩く | ほかの犬に近づくときの礼儀の表現 |
| 9. 座る | 葛藤状況の緩和 |
| 10. 伏せる | 強い鎮静の要請 |
| 11. 遊びの姿勢(プレイバウ) | 「私は脅威ではありません」という意思表示 |
| 12. 前足を上げる | ためらい・不確実さ |
| 13. 体を振る(タオルを振るように) | 緊張がほぐれるとき・リセット行動 |
| 14. 掻く(体・耳) | ストレスによる転位行動 |
| 15. まばたき | やわらかい鎮静のサイン |
| 16. 割って入る(間を空ける) | 二者の間の緊張を仲裁する |
出典:Turid Rugaas(2006)、獣医行動学の教科書

これらの兆候が繰り返される場合は、すぐに中止してください。
鎮静シグナルは、「もうやめてください」という丁寧なお願いです。これを無視すると、次の段階として唸り声や噛みつきにつながる可能性があります。 - 撫でている間に愛犬が繰り返し顔をそらしたり、唇をなめたりする場合は→手を離し、距離を置いてください。 - 散歩中に他の犬と出会った際、背を向けたり地面の匂いを嗅いだりする場合は→無理やり挨拶させないでください。 - 子供たちと遊んでいるときにあくび・体を拭うような動作・場所を避けるなどのサインが見られたら→遊びを一旦中断する必要があります。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Turid Rugaas, On Talking Terms With Dogs: Calming Signals, 2nd Edition, Dogwise Publishing, 2006
[2] Mariti C. et al., Analysis of the intraspecific visual communication in the domestic dog (Canis familiaris): A pilot study on the case of calming signals, Journal of Veterinary Behavior, 2017
[3] Siniscalchi M. et al., Communication in Dogs, Animals, 2018
[4] 수의행동학 교과서 (Veterinary Behavioral Medicine)