毎日歯磨きが難しい飼い主さんのために、週に2〜3回行う歯のケアルーチンをステップバイステップでまとめました。歯ブラシや歯磨き粉からデンタルガム、オーラルスプレーまで、正しい使い方と品種別の注意点をお伝えします。

毎日の歯磨きをする前に必ず確認すべきこと
すでに歯石が厚く溜まっていたり、歯茎が赤く腫れて出血している場合は、自宅での歯磨きをする前に、まず動物病院でスケーリングを受ける必要があります。炎症がある状態で歯磨きを行うと、痛みによって生涯にわたり歯磨きを拒否するようになる可能性があります。口臭が強い、片側だけでしか食べ物を噛めない、口の周りを頻繁に掻くなどの症状がある場合は、毎日のケアを始める前に必ず獣医師の診察を受けてください。


| 項目 | 歯ブラシ・歯磨き粉 | デンタルガム | 口腔スプレー・ジェル |
|---|---|---|---|
| プラーク除去効果 | 非常に高い | 中程度 | 低い |
| 歯石予防効果 | 非常に高い | 中~高い | 中程度 |
| 推奨頻度 | 週2~3回以上 | 週3~5回 | 毎日可能 |
| 初心者の難易度 | 高い | 低い | 非常に低い |
| 単独使用が可能 | True | False | False |
| VOHC認証製品を推奨 | True | True | True |
デンタルガム・スプレーは、歯磨きを補助する道具として活用するときに最も効果的です

品種・年齢別の特別な注意事項
短頭種(パグ、シーズー、ペキニーズ、ペルシャなど)は顎が狭く歯が密集しているため、プラークがよりつきやすい傾向があります。歯が密集していたり不正咬合であったりすると、歯の表面が粗くなりプラークが溜まりやすくなるため、ケアルーチンを週3〜4回に増やすと効果的です。小型犬(ポメラニアン、ヨークシャー・テリア、マルチーズ)も歯が狭く並んでいることが多いため、若いうちから継続的にケアルーチンを始めるのがおすすめです。7歳以上の高齢犬・高齢猫はすでに歯周病が進行している可能性があるため、自宅でのケアを開始する前には必ず口腔検査を受けてください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Rawlings, J.M., Gorrel, C., Markwell, P.J. (1998). Effect on canine oral health of adding chlorhexidine to a dental hygiene chew. Journal of Veterinary Dentistry 15(3): 129-134
[2] Applied Veterinary Clinical Nutrition, 2nd Edition — Dental Health and Nutrition Chapter
[3] American Veterinary Dental College (AVDC), Home Oral Hygiene Guidelines for Companion Animals, 2019
[4] Veterinary Oral Health Council (VOHC), Accepted Products for Plaque and Calculus Control