子猫のワクチン接種は、生後6週齢から16週齢以降にかけて3~4回シリーズで実施する必須の医療処置です。4種混合ワクチン(FVRCP)と5種混合ワクチン(FVRCP+白血病)の違い、時期別のスケジュール、接種前後の注意事項をまとめました。

ワクチン接種前に必ず確認すべき4つのポイント
ワクチン接種は、健康な状態で行うことで効果と安全性が確保されます。体温が正常(38.0~39.2℃)かどうか、下痢・嘔吐・鼻水・くしゃみがないか、譲渡後最低5~7日は環境に慣れたか、駆虫(内部・外部)が完了しているかを確認する必要があります。体調が優れない状態でワクチン接種を行うと、免疫反応が弱まり、副作用のリスクが高まります。気になる症状がある場合は、接種を延期し、まず診察を受けるのが適切です。

| 項目 | 4種(FVRCP+クラミジア) | 5種(4種+FeLV) |
|---|---|---|
| 含まれるウイルス | ヘルペス・カリシ・汎白血球減少症(FVRCP)+クラミジア | 4種+白血病(FeLV) |
| 分類 | FVRCPはコア(必須)、クラミジアはノンコア | コア(FVRCP)+ノンコア(クラミジア・FeLV) |
| 推奨対象 | すべての子猫(FVRCP基準) | 1歳未満のすべての猫、外出猫、多頭飼育 |
| 初期シリーズの回数 | FVRCP 3〜4回(16〜20週齢まで) | FVRCP 3〜4回+FeLVシリーズ |
| FeLV検査の必要性 | False | True |
| 費用の差 | 基本 | +FeLV分の費用が追加 |
FeLV接種前には必ずFeLV/FIV抗原検査で陰性を確認したうえで接種します。

ワクチン接種後の副作用~これらの兆候が見られたら、すぐに動物病院へ~
子猫のほとんどは、ワクチン接種後に軽い発熱・食欲低下・接種部位の痛みなどの症状を示しますが、24~48時間以内に回復します。しかし、次のような兆候が見られた場合は、直ちに動物病院へ連れて行ってください。 - 接種後1時間以内に顔や唇の腫れ、嘔吐、呼吸困難(アナフィラキシーの疑い) - 24時間以上続く高熱(39.5℃以上) - 接種部位に3週間以上消えない硬いしこり(注射部位肉腫の可能性) - 強い倦怠感、歯茎の蒼白、点状出血 軽度の副作用でも、次の接種時には必ず獣医師にお知らせください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Scherk MA, Ford RB, Gaskell RM, et al. 2013 AAFP Feline Vaccination Advisory Panel Report. Journal of Feline Medicine and Surgery, 2013;15(9):785-808.
[2] Day MJ, Horzinek MC, Schultz RD, Squires RA. WSAVA Guidelines for the Vaccination of Dogs and Cats. Journal of Small Animal Practice, 2016;57(1):E1-E45.
[3] Little SE. The Cat: Clinical Medicine and Management, 2nd Edition. Elsevier, 2020. Chapter 8: Feline Vaccination.
[4] Schaer M, Gaschen F. Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Edition. CRC Press, 2023. Chapter 21: Feline Infectious Diseases.