秋の季節の変わり目には、気温差と乾燥した空気により犬や猫の呼吸器疾患が急増します。咳やくしゃみなどの兆候と生活環境の管理法をまとめてご紹介します。

予防前に必ず確認すべきこと
予防管理を始める前に、すでに呼吸器症状がないかまず確認しましょう。咳・鼻水・くしゃみ・呼吸時のゼイゼイ音がある場合は、予防ではなく「治療」段階です。この状態で冷たい空気にさらされたり、無理に散歩を続けたりすると、気管支炎が肺炎に進行する可能性があります。症状がある場合は、まず獣医師の診察を受け、回復期になったら以下の予防法を適用してください。

| 項目 | 自宅ケアで対応可能 | 当日中に受診 | 緊急(夜間含む) |
|---|---|---|---|
| くしゃみ1〜2回 | True | False | False |
| 乾いた咳が24時間続く | False | True | False |
| 鼻水・目やに+食欲低下 | False | True | False |
| ゼーゼーする・呼吸時に肋骨が激しく動く | False | False | True |
| 歯茎・舌が青くなる(チアノーゼ) | False | False | True |
| 口を開けて呼吸する(特に猫) | False | False | True |
チアノーゼと開口呼吸はすぐに救急へ行く必要があります。猫の開口呼吸はほぼ常に緊急のサインです。

注意が必要な犬種
次の品種は、季節の変わり目に呼吸器への負担が特に大きくなります。 - 短頭種(パグ・ブルドッグ・シーズー・ボストン・テリア・ペルシャ・エキゾチック・ショートヘア):頭蓋骨は短いものの、周囲の軟部組織はそれに比例して減少しないため、気道内腔へ突出する「短頭種気道症候群」が生じます。気道抵抗の増加と閉塞のリスクが高いため、環境変化に対してより脆弱です。室内の保温とストレスの最小化に特に留意してください。 - ポメラニアン・ヨークシャー・テリア・チワワ:小型犬では気管虚脱が発生することがあり、冷たい空気にさらされることや首輪による圧迫が咳を悪化させる可能性があります。首輪の代わりにハーネスを使用してください。 - 高齢犬・高齢猫(7歳以上):全体的な健康状態の低下により呼吸器感染症にかかりやすくなるため、ワクチン接種は必ず最新の状態に維持してください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] King LG, Textbook of Respiratory Disease in Dogs and Cats, Chapter 1 (Approach to the Dyspneic Patient) & Chapter 9 (Pulmonary Gas Exchange), Saunders, 2004
[2] Bryant S, Small Animal Anesthesia and Pain Management: A Color Handbook 3rd Edition, Chapter 1 (Breathing Circuits), CRC Press, 2021
[3] Ettinger SJ, Feldman EC, Textbook of Veterinary Internal Medicine 8th Edition — Respiratory System, Elsevier, 2017