犬のインスリノーマは、膵臓からインスリンが過剰に分泌される腫瘍です。低血糖発作や倒れ込みが代表的な症状であり、手術が最も効果的な治療法となります。


すぐに病院へ連れて行かなければならない緊急のサイン
低血糖発作は脳損傷を引き起こす可能性があります。以下の症状が見られた場合は、すぐに動物病院へ連れて行く必要があります。その際、口内粘膜(歯茎)にハチミツや砂糖水をつけてあげてください。 - 痙攣が5分以上止まらない場合 - 意識が戻らない場合 - 1日2回以上発作が繰り返される場合 - 体温が低下し、呼吸が弱くなった場合

| 項目 | 手術 | 薬物治療 | 食事管理単独 |
|---|---|---|---|
| 低血糖コントロール効果 | 非常に高い | 中程度 | 低い |
| 平均生存期間 | 約12〜18か月 | 数か月〜1年 | 数か月 |
| 転移時の適用 | 限定的 | 可能 | 補助的 |
| 費用負担 | 高い | 中程度(継続) | 低い |
| 飼い主の管理難易度 | 低い(手術後) | 中程度 | 高い |
生存期間は個体の状態・病期によって大きく異なり、獣医師と相談のうえ決定します

再発・転移を防ぐポイント
手術で腫瘍を切除しても、肝臓やリンパ節への転移がすでに進行している可能性があります。実際、多くの症例で時間が経つと転移により低血糖が再発することが報告されています。そのため、術後も定期的に血糖値と腹部超音波検査で経過観察を行うことが望ましいです。倒れ込み、けいれん、後肢の脱力といった低血糖の兆候が再び現れた場合は、犬種や年齢に関わらず、速やかに空腹時血糖検査を受けて再発や転移の有無を確認してください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed — Chapter 12 Endocrine Disorders
[2] Plumb's Veterinary Drug Handbook, 10th Ed — Insulin, Diazoxide
[3] Handbook of Veterinary Pharmacology — Hormones and Agents Affecting Endocrine Function
[4] Withrow & MacEwen's Small Animal Clinical Oncology — Endocrine Tumors