犬の尿失禁は、尿道の括約筋の機能が低下して尿を適切に我慢できなくなる疾患であり、主に高齢期や出産後に現れます。正確な診断と管理が重要です。



すぐに動物病院を受診する必要がある場合
犬が突然尿を一切我慢できなくなったり、排尿時に痛みを示したり、血尿を伴う場合は、すぐに動物病院を受診してください。これらは感染症、結石、腫瘍、神経損傷などの深刻な疾患の兆候である可能性があります。早期診断は治療結果に決定的な影響を与えます。



犬種別の注意点と再発予防
避妊済みの雌犬、特に高齢期には尿失禁が頻繁にみられ、これはホルモン変化と括約筋機能の低下に関連しています。出産後や高齢期には定期的な健康診断が必要であり、薬物治療中も症状の変化を必ず確認してください。再発を防ぐためには、生活習慣と薬物調整を継続的に維持することが大切です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
| 項目 | 主な治療法 | 治療効果 | 注意事項 |
|---|---|---|---|
| ホルモンの不均衡 | エストロゲン補充剤 | 中程度 | 避妊・去勢後2~3年ほどで症状が現れることが多く、一部の犬では副作用の懸念があります |
| 括約筋の弱化 | α-アドレナリン受容体刺激薬 | 中程度 | 薬の服用中は異常反応に注意、長期服用時には副作用の可能性があります |
| 神経の損傷 | 薬物+電気刺激療法 | 低い | 個体差が大きく、定期的な評価と継続的な管理が必要です |
| 術後合併症 | 外科的再建+補助療法 | 中程度 | 回復期間が長くなることがあり、術後に再発の可能性があります |
治療効果には個体差があるため、獣医師と相談のうえ決定してください。
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[1] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed. (2023). Chapter 16: Urinary Incontinence in Dogs.
[2] Plumb's Veterinary Drug Handbook, 9th Ed. (2022). Sphincter Mechanism Incompetence and Treatment Options.
[3] American College of Veterinary Internal Medicine (ACVIM). Consensus Statement on Canine Urinary Incontinence (2021).