犬の網膜変性や加齢性網膜変化は、老化や遺伝的要因が原因で視力が低下していく疾患です。早期発見と適切な管理が重要です。



すぐに動物病院を受診すべきサイン
急激な視力低下、目の出血や赤い斑点、浮遊物の見えるような症状が現れた場合は、直ちに動物病院を受診してください。これらは網膜剥離や病状の悪化を示す兆候である可能性があります。また、目をこすったり引っ掻いたりする行動が増え、涙が絶えず溢れる場合は、感染症や炎症を併発している恐れもあります。早期の診断と治療は、視力維持にとって極めて重要です。



特定の犬種はより注意が必要です
コリー系、コッカースパニエル、テリア系など、一部の犬種は遺伝的要因により網膜疾患のリスクが高いと報告されています。教科書では、コリー系が網膜色素上皮異常症(RPED)やX連鎖進行性網膜萎縮(PRA)に関連して報告されており、アメリカンコッカースパニエルは進行性桿体・円錐体変性(PRCD)や網膜形成異常、ジャックラッセルテリアやヨークシャーテリアなどは網膜剥離に関連しているとされています。これらの犬種では、発症が遅いタイプが多く見られるため、3~5歳頃から定期的な眼科検診を受けることをお勧めします。遺伝子検査でリスクを事前に把握し、適切な管理計画を立てることが予防の鍵となります。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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