猫の肥満細胞腫は、皮膚や内臓にできる悪性腫瘍で、グレードによって治療法や予後が異なります。早期発見と適切なケアが重要です。



すぐに動物病院を受診する必要があるサイン
皮膚のしこりが急激に大きくなったり、出血・潰瘍・腫脹が生じたりした場合は、直ちに動物病院を受診する必要があります。また、食欲減退、体重減少、嘔吐、下痢などの全身症状を伴う場合は、悪性度が高い可能性があります。腫瘍が複数部位に発生している場合や、内臓機能の異常が疑われる場合は、早期の診断と治療が不可欠です。



再発リスクが高い場合は、定期的な健康診断が必須です。
悪性(グループ2)の肥満細胞腫や、内臓に発生した場合は、再発や転移のリスクが相対的に高くなる可能性があります。ただし、猫の皮膚肥満細胞腫では一部の場合にのみ再発が見られ、切除縁の完全性が再発率を予測する根拠となることは証明されていません。したがって、手術後は獣医師が推奨する周期に従って定期健診を受け、必要に応じて血液検査や画像検査で転移の有無を確認することが望ましいでしょう。継続的な観察が早期発見の鍵となります。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
| 項目 | 特徴 | 治療方法 | 予後 |
|---|---|---|---|
| Group 1(良性) | 分裂像が少なくよく分化した形態で、単発性の皮膚腫瘍が多い | 外科的切除が第一選択の治療(多くは手術のみで治療されます) | 良好(ステージI〜IIIの猫は多くが手術のみで長期生存) |
| Group 2(悪性) | 分裂像が多く細胞形態が非定型的で、悪性の経過をたどる可能性がある | 外科的切除が基本で、状況に応じて追加治療を慎重に検討 | 注意が必要(再発・転移の可能性についての評価と経過観察が必要) |
猫の肥満細胞腫は、分裂像の数と細胞形態を基準にGroup 1(良性)とGroup 2(悪性)に分類され(Sabattini & Bettini, 2018)、最終的なグレードは組織検査の結果に基づいて獣医師が判断します。
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[1] Hawkins E, et al. (2018) Feline mast cell tumors: A review of clinical presentation, grading, and treatment. Journal of Feline Medicine and Surgery, 20(1), 5-15.
[2] Lloyd WH, et al. (2020) Evaluation of the WHO grading system for feline cutaneous mast cell tumors. Veterinary Pathology, 57(4), 567-575.