犬の脂肪腫は良性腫瘍としてよく見られますが、悪性の脂肪肉腫は浸潤性があり転移の可能性があるため、早期発見が重要です。両者の違いを正しく理解し、適切なケアを行う必要があります。



すぐに動物病院を受診すべきサイン
脂肪腫が急速に大きくなったり、皮膚が赤く腫れて痛みを伴う場合は、すぐに動物病院を受診してください。また、腫瘍から出血したり潰瘍ができたりしている場合は悪性の可能性が高いため、早期の診断が不可欠です。



犬種別の注意点と再発予防
脂肪腫は主に高齢犬に多く見られ、発症の平均年齢は約8.8歳とされています。肥満がリスク要因となることもあります。外見だけでは良性と悪性の区別が難しいため、特に高齢犬では定期的な皮膚検査が役立ちます。脂肪腫は切除後も他の部位に新たに発生したり再発したりすることがあり、特に浸潤型では局所再発率が高いため、手術後も定期的に経過観察を受けることをお勧めします。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
| 項目 | 脂肪腫 | 悪性脂肪肉腫 |
|---|---|---|
| 性質 | 良性 | 悪性 |
| 成長速度 | ゆっくり | 速い |
| 痛みの有無 | 通常なし | 痛みを引き起こす可能性あり |
| 転移の可能性 | なし | あり(局所浸潤・再発リスクが高い) |
| 治療方法 | 経過観察または外科的切除 | 広範囲切除+放射線/化学療法 |
正確な診断は細胞診と組織検査によって行われる必要があります。
シェア
[1] Veterinary Surgical Oncology, 2nd Ed. Elsevier Saunders, 2018.
[2] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed. Elsevier, 2020.
[3] American Veterinary Medical Association. Canine Skin Tumors: Diagnosis and Management. 2021.