犬のベータ遮断薬関連心機能低下とは、心拍数を抑制する薬剤の使用により生じうる心機能の低下状態です。早期に気づき、適切な管理が必要です。



すぐに動物病院を受診が必要な症状
犬が突然倒れたり、呼吸が速くなったり、口元が青ざめたりした場合は、すぐに動物病院へ連れて行ってください。これは心機能が著しく低下しているサインです。ベータ遮断薬(即効性タイプ)を服用した後、2~8時間以内に徐脈、低血圧、呼吸困難などの症状が現れる可能性がありますので、こうした兆候が見られた場合は緊急事態と判断し、速やかに獣医師による緊急処置を受けてください。



品種別の注意点と再発予防
ベータ遮断薬は安全域が狭い薬剤であるため、すでに心疾患や収縮期機能低下がある犬では使用に際して特に注意が必要です。特に収縮期機能が低下している場合は、アテノロールなどの薬を避けることが推奨されます。投薬後に症状が再発した場合は、すぐに獣医師にご相談ください。定期的な心臓検査と用量調整により再発を管理しましょう。保護者による継続的な観察が、最も重要な予防策となります。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
| 項目 | 軽症 | 中等度 | 重度 |
|---|---|---|---|
| 心拍数 | 正常またはごく軽度の徐脈 | 徐脈(心拍が遅くなる) | 高度な徐脈 |
| 活動レベル | 日常的な活動が可能 | 運動後の疲労・運動不耐性 | 虚脱、動けない |
| 意識状態 | 正常 | 眠気、無気力 | 失神、意識低下・昏睡 |
| 呼吸状態 | 正常 | 運動時の息切れ | 低血圧を伴う呼吸困難 |
症状が重くなるほど、すぐに獣医師への相談が必要です。
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[1] Adin D, DeFrancesco TC, Keene B et al. Echocardiographic phenotype of canine dilated cardiomyopathy differs based on diet type. J Vet Cardiol, 2019, 21:1–9.
[2] Hoffmann RP, Grupp G. The effects of sotalol and propranolol on contractile force and atrioventricular conduction time of the dog heart in situ. Dis Chest, 1969, 55:229.
[3] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed. Blackwell Publishing, 2020. Chapter 8: Cardiac Arrhythmias and Conduction Disorders.