猫の引っ掻き行動は、爪の手入れや縄張りのマーキング、ストレス解消のための本能ですが、過度であったり異常なパターンが見られる場合は、痛みや不安、環境上の問題が原因である可能性があります。原因別の対処法と家庭でのケアポイントをまとめました。


動物病院にすぐ連れて行かなければならない場合
足や爪の周りに腫れ、分泌物、出血が見られる場合や、引っ掻いている最中に鳴き声を上げたり痛みを示す反応が見られたら、すぐに病院へ連れて行ってください。爪が肉に食い込んでいたり、変形が見られる場合も、すぐに処置が必要です。また、引っ掻いた部分に脱毛、傷、かさぶたが伴っている場合は、外部寄生虫、アレルギー、皮膚感染症などの皮膚疾患の可能性がありますので、診察が必要です。突然、体をかいたりなめたりする回数が目立って増えた場合は、まずこれらの皮膚疾患を確認し、甲状腺機能亢進症などの内分泌異常の有無も併せて除外する必要があります。


品種別の注意点
ベンガル、アビシニアン、オリエンタル系の子はエネルギーが高く、引っ掻きたい欲求が平均より強い傾向があります。関節に問題のあるスコティッシュフォールドの場合、引っ掻く姿勢の異常が痛みのサインになることもあるので、よく観察してください。爪が早く伸びる子は、切り詰める頻度を高めて短めの周期でケアするのがおすすめです。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Atkinson T., A Professional's Guide to Feline Behaviour: Understanding, Improving and Resolving Problems, 1st edition, 2023
[2] DePorter T.L., Elzerman A.L., 'Common feline problem behaviors: Destructive scratching', Journal of Feline Medicine and Surgery, 2019
[3] Little S.E. (ed.), The Cat: Clinical Medicine and Management, 2nd edition, Elsevier, 2022